/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2024/10/17 08:32

神経質な値動きか、中国当局者の会見を注視 無料記事

◆17日の香港マーケットは、中国の政策見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。16日の米株市場は、好決算の目立つ銀行株が相場を押し上げる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8%高と反発し、史上最高値を再び更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.3%高と反発した。先週発表されたJPモルガンの決算上振れに続き、モルガン・スタンレーが16日公表した7〜9月期決算は、トレーディングや投資銀行業務の好調により、1株利益が予想を上回っている。同社株は6.4%上昇。金融株全般に買いが波及した。ほか、オランダの半導体装置メーカーASMLが収益見通しを引き下げたことを嫌気し、前日に急落した半導体株にも見直し買いが入っている。また、米10年債利回りが低下する中、米利下げ継続で米経済がソフトランディング(軟着陸)するとの見方も改めて意識された。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で5.14%低い19.58で終了。節目の20を再び割り込んだ。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.9%高と3日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK、TCOM/NASDAQ)が2.5%高、百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が1.4%高、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が1.4%高などと値を上げている。
 商品相場はまちまち。NY商品市場ではWTI原油先物が0.4%安と4日続落する一方、金先物は続伸した。ロンドン金属取引所(LME)では、銅など主要産品が概ね上昇している。
 内部環境も悪くない。デフレや景気鈍化の警戒感は続く中、当局の景気支援スタンスは強まっている。国営メディアが16日報じたところによると、習近平・国家主席は今年の経済成長目標(5.0%前後)を達成するため、10〜12月期にあらゆる取り組みを行うよう政府当局者に指示した。住宅都市農村建設部はきょうの午前10時(現地時間、日本時間午前11時)、財政部と中国人民銀行(中央銀行)の当局者と共に会見を開き、不動産市場の安定的かつ健全な発展について、現状紹介と質疑応答を行う。市場では、追加支援策が明らかになると期待されている。
 なお、中国ではあす18日(日本時間11時ごろ)、各種経済指標(9月の小売売上高や鉱工業生産などのほか、第3四半期のGDP成長率など)が集中して報告される予定だ。注目のGDP成長率に関しては、前四半期(4.7%)から減速するとの見方がコンセンサスとなっている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国当局者の会見内容に相場が左右されそうだ。また、あす公表される中国指標を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因ともなろう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース