2024/08/02 08:39
売り先行か、内外の景気懸念が重しに
◆2日の香港マーケットは、内外の景気不安で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はネガティブ。1日の米株市場は、米景気懸念が強まる中で売りが広がる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.2%安と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も2.3%安と反落している。足元の経済指標が想定を上回るペースで落ち込んだことを受け、米経済がリセッション(景気後退)に陥ると危惧された。米労働省が報告した新規失業保険申請件数(週間)は予想以上に増加し、約1年ぶりの高水準に達している。また、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した7月の製造業景況感指数は46.8となり、景況判断の境目となる50を前月に続き割り込んだ。約8カ月ぶりの低水準となっている。米債券市場では米10年債利回りの低下が進み、約半年ぶりの低水準を付けたが、好感する買いはみられず、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株が急落。中でも半導体のアームが15.7%安、ウエスタンデジタルが9.7%安と値を下げた。各社はそれぞれ4〜6月期決算を公表し、良好な結果を残したものの、7〜9月期の業績見通しがアナリストの予想に届かず、失望されている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7.1%下落し、主要指数をアンダーパフォームした。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で13.63%高い18.59に急上昇し、4月19日以来の高水準に達している。
ADR(米国預託証券)上場する中国銘柄もさえない。中国企業のADRで構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が3.4%下落した。香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が8.6%安、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が5.3%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ) が4.4%安、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK、TCOM/NASDAQ)が3.3%安などと下げが目立っている。
内部環境も不透明。中国の景況感が悪化している。1日公表された7月の財新中国製造業PMI(民間集計)は49.8に低下し、景況判断の境目となる50を9カ月ぶりに割り込んだ。先行して発表された国家統計局などによる製造業PMIは49.4となり、節目の50を3カ月連続で割り込んでいる。ほか、7月の新築住宅価格は7カ月ぶりの低い伸びとなり、市況回復の鈍さが際立った。これまでに報告された経済統計に関しても、内需不振を示す内容が多くみられている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。上述したように、米中の景気懸念が投資家心理の重しとなる。中国の経済対策に対する期待感は根強いものの、新規の買い材料にも乏しい状況だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はネガティブ。1日の米株市場は、米景気懸念が強まる中で売りが広がる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.2%安と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も2.3%安と反落している。足元の経済指標が想定を上回るペースで落ち込んだことを受け、米経済がリセッション(景気後退)に陥ると危惧された。米労働省が報告した新規失業保険申請件数(週間)は予想以上に増加し、約1年ぶりの高水準に達している。また、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した7月の製造業景況感指数は46.8となり、景況判断の境目となる50を前月に続き割り込んだ。約8カ月ぶりの低水準となっている。米債券市場では米10年債利回りの低下が進み、約半年ぶりの低水準を付けたが、好感する買いはみられず、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株が急落。中でも半導体のアームが15.7%安、ウエスタンデジタルが9.7%安と値を下げた。各社はそれぞれ4〜6月期決算を公表し、良好な結果を残したものの、7〜9月期の業績見通しがアナリストの予想に届かず、失望されている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7.1%下落し、主要指数をアンダーパフォームした。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で13.63%高い18.59に急上昇し、4月19日以来の高水準に達している。
ADR(米国預託証券)上場する中国銘柄もさえない。中国企業のADRで構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が3.4%下落した。香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が8.6%安、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が5.3%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ) が4.4%安、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK、TCOM/NASDAQ)が3.3%安などと下げが目立っている。
内部環境も不透明。中国の景況感が悪化している。1日公表された7月の財新中国製造業PMI(民間集計)は49.8に低下し、景況判断の境目となる50を9カ月ぶりに割り込んだ。先行して発表された国家統計局などによる製造業PMIは49.4となり、節目の50を3カ月連続で割り込んでいる。ほか、7月の新築住宅価格は7カ月ぶりの低い伸びとなり、市況回復の鈍さが際立った。これまでに報告された経済統計に関しても、内需不振を示す内容が多くみられている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。上述したように、米中の景気懸念が投資家心理の重しとなる。中国の経済対策に対する期待感は根強いものの、新規の買い材料にも乏しい状況だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。