2024/12/09 08:48
上値の重い展開か、中国指標の発表が気がかり
◆週明け9日の香港マーケットは、中国指標の見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は良好。6日の米株市場は、悪材料の出た一部銘柄の下げが重しとなったものの、全体としてはしっかりとした展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.3%安と続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.8%高と反発し、4日以来となる史上最高値を更新。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が0.2%上昇し、再び最高値を更新した。ユナイテッドヘルス・グループ株が5.1%下げ、ダウ平均の重しとなっている。医療保険業界に多くの米国人が不満を抱く中、ユナイテッドヘルスの最高経営責任者(CEO)が射殺されたことを懸念した。一方、12月の米利下げ期待が相場を下支えしている。朝方発表された11月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想を上回る伸びを示したものの、失業率は上昇した。まちまちの内容となったが、市場では12月利下げに影響を与えるほどではないとみられている。0.25%利下げの確率は、CMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)で前日の71.0%から85.1%に上昇している。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.0%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が2.3%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)と京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)がそろって2.1%高と上げが目立っている。
商品相場に関しては、原油相場が1.6%安と3日続落したが、金先物が0.4%高と反発。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が概ね下落した。
一方、内部的には指標発表が気がかり。中国では今週から来週にかけ、11月の各種経済統計の公表が集中する。きょう9日に物価、10日に貿易、16日に小売売上高や鉱工業生産など。また金融も15日までに予定されている。本日朝方(日本時間10時半ごろ)に報告される物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.4%(前月はプラス0.3%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.8%(同マイナス2.9%)で着地するとの見通しが市場コンセンサスだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国指標の内容を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因となる。ただ、11日から2日間の日程で、翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」が開催される見通しと伝わっていることもあり、政策に対する期待感が相場を支える可能性もあろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は良好。6日の米株市場は、悪材料の出た一部銘柄の下げが重しとなったものの、全体としてはしっかりとした展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.3%安と続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.8%高と反発し、4日以来となる史上最高値を更新。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が0.2%上昇し、再び最高値を更新した。ユナイテッドヘルス・グループ株が5.1%下げ、ダウ平均の重しとなっている。医療保険業界に多くの米国人が不満を抱く中、ユナイテッドヘルスの最高経営責任者(CEO)が射殺されたことを懸念した。一方、12月の米利下げ期待が相場を下支えしている。朝方発表された11月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想を上回る伸びを示したものの、失業率は上昇した。まちまちの内容となったが、市場では12月利下げに影響を与えるほどではないとみられている。0.25%利下げの確率は、CMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)で前日の71.0%から85.1%に上昇している。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.0%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が2.3%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)と京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)がそろって2.1%高と上げが目立っている。
商品相場に関しては、原油相場が1.6%安と3日続落したが、金先物が0.4%高と反発。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が概ね下落した。
一方、内部的には指標発表が気がかり。中国では今週から来週にかけ、11月の各種経済統計の公表が集中する。きょう9日に物価、10日に貿易、16日に小売売上高や鉱工業生産など。また金融も15日までに予定されている。本日朝方(日本時間10時半ごろ)に報告される物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.4%(前月はプラス0.3%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.8%(同マイナス2.9%)で着地するとの見通しが市場コンセンサスだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国指標の内容を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因となる。ただ、11日から2日間の日程で、翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」が開催される見通しと伝わっていることもあり、政策に対する期待感が相場を支える可能性もあろう。
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