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2024/08/28 08:50

上値の重い展開か、米半導体大手エヌビディアの決算動向が気がかり 無料記事

◆28日の香港マーケットは、米半導体大手エヌビディアの決算発表控え上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。27日の米株市場は、米利下げ観測が相場を下支えする展開だった。。主要指標のNYダウが日比0.02%高と小幅ながら3日続伸し、連日で史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.16%高と反発した。米連邦準備理事会(FRB)は9月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を引き下げることが確実視されている。ただ、上値は重い。米半導体大手エヌビディアの四半期決算発表を28日引け後に控え、様子見ムードも漂った。AI(人工知能)ブームをリードするエヌビディア株はこのところ米株相場をけん引していただけに、業績内容や見通しを見極めたいとするスタンスも強まっている。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.4%上昇した。主要な香港との重複上場銘柄では、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK、TCOM/NASDAQ)が8.6%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が6.5%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が2.3%高などと値を上げている。携程集団は好決算を手がかりに香港市場で急伸した流れを継いだ。京東集団は同業の業績鈍化見通しで前日に急落していたが、最大50億米ドルの自社株買い計画を発表したことが買い安心感につながっている。
 一方、内部環境はやや不透明。中国経済対策の期待感は根強いものの、景気鈍化や財政不安も依然としてくすぶっている。中国財政部が26日発表したデータによると、今年1〜7月の一般公共予算収入(財政収入)が前年同期比で2.6%減少する一方、支出は2.5%増えた。不動産不況を背景に、国有地(使用権)売却収入が縮小している。指標発表も気がかり。中国では31日、8月の購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が発表される予定。市場コンセンサス予想では、製造業PMIが49.4→49.5、非製造業PMIが50.2→50.0で着地する見通しだ。
 なお、香港では主要な上場企業の中間決算報告が今週に出揃う。きょう28日は比亜迪電子国際(285/HK)や江西銅業(358/HK)、復星国際(656/HK)、中国海外発展(688/HK)、中国海洋石油(883/HK)、龍源電力集団(916/HK)、比亜迪(1211/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、理想汽車(2015/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、申洲国際集団HD(2313/HK)、中国蒙牛乳業(2319/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中国アルミ(2600/HK)、広州富力地産(2777/HK)、交通銀行(3328/HK)、美団(3690/HK)、中信証券(6030/HK)、江西金力永磁科技(6680/HK)、あす29日は青島ビール(168/HK)や馬鞍山鋼鉄(323/HK)、東風汽車集団(489/HK)、中国国際航空(753/HK)、網龍網絡HD(777/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、中国南方航空(1055/HK)、東方電気(1072/HK)、中遠海運能源運輸(1138/HK)、中聯重科(1157/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、華虹半導体(1347/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中国聯塑集団HD(2128/HK)、長城汽車(2333/HK)、中銀香港(2388/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、中国龍工HD(3339/HK)、協キン科技HD(3800/HK)、招商銀行(3968/HK)、中国銀行(3988/HK)などが決算発表する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、米半導体大手エヌビディアの業績動向を見極めたいとするスタンスが買い手控えにつながろう。中国の景気懸念や、中国と西側諸国の関係悪化も不安材料として意識されそうだ。


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