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2024/10/18 08:44

神経質な値動きか、中国GDPなどに注目 無料記事

◆18日の香港マーケットは、中国指標の見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。17日の米株市場は、米小売売上高の上振れが投資家心理を上向かせる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.37%高と続伸し、連日で史上最高値を再び更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.03%高と小幅ながら続伸している。米商務省が17日公表した9月の小売売上高は、前月比0.4%増となり予想(0.3%増)を上回った。米GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費が回復しているとの見方を背景に、米経済がソフトランディング(軟着陸)するとの期待も一段と高まっている。ただ、主要指数が高値圏で推移する中、売り圧力も意識され、上値は重かった。
 半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.6%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が7.5%安、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が6.5%安、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が5.5%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が4.2%安などと値を下げている。
 商品相場はまちまち。NY商品市場ではWTI原油先物が0.4%高と4日ぶりに反発し、金先物が続伸(一時、最高値)する一方、ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が軒並み下落した。
 内部環境は不透明。今月に入り経済政策に関する当局者の会見が続いたが、投資家の期待を削ぐ内容が多かった。17日に開かれた住宅都市農村建設部の会見では、未完成の不動産プロジェクトに優先的に銀行が融資する「ホワイトリスト」制度を拡大し、年末までに規模を4兆人民元(約83兆9500億円)に増やす方針などが明らかにされたものの、市場からは「期待に届かなかった」との声も聞かれている。12日に開かれた財政部の会見では、財政支援で景気を支える方針が示されたが、具体的な規模などに言及がなく、ポジティブサプライズには欠けた。中国人民銀行(中央銀行)などは国慶節連休前の9月下旬、金融緩和、不動産支援、株価テコ入れに向けた方針を矢継ぎ早に公表したが、対応した財政出動を政府は控えている。
 ただ、「習近平・国家主席は今年の経済成長目標(5.0%前後)を達成するため、10〜12月期にあらゆる取り組みを行うよう政府当局者に指示した」と報じられたこともあり、近く具体的な財政出動に関する発表があるとの期待も根強い状況だ。
 なお、中国ではきょう18日(日本時間11時ごろ)、各種経済指標(9月の小売売上高や鉱工業生産などのほか、第3四半期のGDP成長率など)が集中して報告される。注目のGDP成長率に関しては、前四半期(4.7%)から減速するとの見方がコンセンサスだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米国高は支えになりそうだが、中国指標の結果が気がかりだ。内容によっては、相場が乱高下する可能性もあろう。ただ、指数はこのところの下げで値頃感が強まっていることもあり(ハンセン指数と上海総合指数はそれぞれ約3週ぶりの安値)、下値を叩くようなら自律反発狙いの買いも期待できそうだ。


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