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2020/05/20 08:57

米株安を嫌気し売り先行か、中国の政策期待で下値は限定も 無料記事

◆20日の香港マーケットは、米株安を嫌気した売りが先行しそうだが、中国の政策期待で下値は限定的となろう。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.6%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%安とそろって4日ぶりに反落した。新型コロナウイルスのワクチン開発を巡る期待が後退。米バイオ製薬ベンチャーのモデルナが開発中のコロナ感染症のワクチンに関し、医療関連メディアSTATが19日、「モデルナは初期臨床試験で有望な効果を確認したとされるが、一部の重要な情報が開示されていないため効果には疑問がある」と報じた。前日にワクチン開発の期待感などで主要指数は大きく上昇していたこともあり、いったん利益を確定する売りが広がっている。
 一方、19日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.8%高と続伸。前夜の欧米株高に加え、原油や非鉄の市況高が好感された。中国の政策期待も持続する。今週22日には、今年の政策運営や経済成長率などの目標を示す中国の最重要会議、全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)が開幕する予定。打ち出される経済対策の思惑も高まった。また、経済活動再開の実態が明らかになったこともプラス。足元の経済データでは、エネルギー供給・消費や発電量の回復傾向が鮮明化している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の固い展開か。昨夜の米株安を嫌気した売りが先行しそうだ。もっとも、中国の政策期待は根強く、下値では政策で恩恵を受けやすい銘柄群などに買いが入る可能性もあろう。
 なお本日は、事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」が公表される予定。毎月発表されるLPRは4月、1年物と5年物がそれぞれ2カ月ぶりに引き下げられている。新型コロナの影響で経済が疲弊するなか、金融政策の動向にも注目が集まろう。


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