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2024/10/29 08:54

しっかりか、米株高が支えに 無料記事

◆29日の香港マーケットは、米株高を支えにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。28日の米株市場は、中東地域の過度な地政学リスクがひとまず後退し、投資家に買い安心感が広がる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.6%高と6日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%高と3日続伸している。イスラエルは26日、イラン各地の軍事標的を空爆したが、石油施設の攻撃を避けた。イランの石油産業は正常に稼働していると伝わり、WTI原油先物は6.1%安と急反落。原油高騰が世界経済の混乱につながるとの不安も薄らいだ。アップルやアマゾンなど週内に四半期決算を発表する大型ハイテク株には、好決算を期待した買いが継続している。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は4.1%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が10.5%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が9.0%高、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が7.7%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が4.4%高などと値を上げている。新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来集団については、マッコーリーが最新リポートで、10〜12月期に新ブランドの販売が売上高を押し上げると指摘。同社株の投資判断を引き上げたことも刺激材料だ。
 商品相場に関しては、原油相場が急反落する一方、金相場は続伸。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が概ね下落した。
 一方、内部的には経済対策の期待感が強まる状況。11月4〜8日の日程で開催される全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の第12回会議では、財政出動の具体的な内容が公表されると見込まれている。廖岷・財政部副部長は25日、内需拡大と今年の経済成長目標(5.0%前後)を達成するため、「今回の政策はかなり大規模なものになる」と改めて強調した。
 なお、本土・香港マーケットでは1〜9月期決算の発表が本格化している。香港上場の主要企業では、今日29日にHSBC(5/HK)や万洲国際(288/HK)、江西銅業(358/HK)、ASMPT(522/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中海油田服務(2883/HK)、中国アルミ(2600/HK)、招商銀行(3968/HK)、中信証券(6030/HK)、30日は比亜迪電子国際(285/HK)や中国東方航空(670/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国建設銀行(939/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、万科企業(2202/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、交通銀行(3328/HK)、中国銀行(3988/HK)などが報告する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。中国経済対策の期待感が続くほか、昨夜の米株高も投資家心理を上向かせよう。また、企業業績の動向に着目した売買も活発化しそうだ。


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