2024/12/20 08:41
神経質な値動きか、米長期金利が高止まり 
◆20日の香港マーケットは、米金利の高止まりで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は不透明。19日の米株市場は、米利下げペースの鈍化見通しで上値の重い展開だった。主要指標のNYダウは11日ぶりに反発したが、上昇率は0.03%にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安と3日続落している。NYダウの10日続落(前日までの)は約50年ぶりだっただけに、自律反発狙いの買いがみられた。ただ、長期金利の高止まりを懸念し、買い進む動きは限定的。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株などには、株価の割高感を意識した売りが継続した。米連邦準備理事会(FRB)が18日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り0.25%利下げを決定したが、2025年の利下げ回数見通しを従来の4回から2回に修正している。インフレの警戒感も続く。7〜9月期の実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率3.1%増となり、改定値(2.8%増)から上方修正され、新規失業保険申請件数(週間)は予想以上に前週から減少した。そうした中、米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、一時、約7カ月ぶりの高水準を付けている。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.06%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が3.1%安、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が1.6%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が1.5%安と下げが目立っている。百度に関しては、自社AI(人工知能)の「iPhone」採用がとん挫したことを嫌気した。
商品相場は、原油相場が0.9%安と反落し、金先物は1.7%安と6日続落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が全面安だった。
一方、内部的には新規材料に乏しい。11月の主要経済統計などは発表が一巡した。年末に向かい(香港市場はクリスマスで24日午後から26日まで休場)、マーケットも薄商いになりつつある。
なお、中国ではきょう20日(日本時間10時ごろ)、実質的な政策金利となる12月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される。銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.10%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.60%に据え置かれる見通しだ。ただ、市場関係者の間からは、年内に預金準備率が引き下げられるとの見方もある。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国経済対策の期待感は根強いものの、米長期金利の高止まりや、人民元安進行の警戒感が重しとなろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は不透明。19日の米株市場は、米利下げペースの鈍化見通しで上値の重い展開だった。主要指標のNYダウは11日ぶりに反発したが、上昇率は0.03%にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安と3日続落している。NYダウの10日続落(前日までの)は約50年ぶりだっただけに、自律反発狙いの買いがみられた。ただ、長期金利の高止まりを懸念し、買い進む動きは限定的。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株などには、株価の割高感を意識した売りが継続した。米連邦準備理事会(FRB)が18日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り0.25%利下げを決定したが、2025年の利下げ回数見通しを従来の4回から2回に修正している。インフレの警戒感も続く。7〜9月期の実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率3.1%増となり、改定値(2.8%増)から上方修正され、新規失業保険申請件数(週間)は予想以上に前週から減少した。そうした中、米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、一時、約7カ月ぶりの高水準を付けている。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.06%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が3.1%安、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が1.6%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が1.5%安と下げが目立っている。百度に関しては、自社AI(人工知能)の「iPhone」採用がとん挫したことを嫌気した。
商品相場は、原油相場が0.9%安と反落し、金先物は1.7%安と6日続落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が全面安だった。
一方、内部的には新規材料に乏しい。11月の主要経済統計などは発表が一巡した。年末に向かい(香港市場はクリスマスで24日午後から26日まで休場)、マーケットも薄商いになりつつある。
なお、中国ではきょう20日(日本時間10時ごろ)、実質的な政策金利となる12月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される。銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.10%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.60%に据え置かれる見通しだ。ただ、市場関係者の間からは、年内に預金準備率が引き下げられるとの見方もある。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国経済対策の期待感は根強いものの、米長期金利の高止まりや、人民元安進行の警戒感が重しとなろう。
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