2020/08/21 09:10
しっかりか、米中摩擦の緩和期待が支えに
◆21日の香港マーケットは、米中摩擦の緩和期待でしっかりとした展開か(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.2%高と4日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.1%高と反発した。ナスダック指数は再び史上最高値を更新する。雇用指標の悪化を嫌気して売られたものの、大型ハイテク株に買いが入り相場を押し上げた。米労働省が20日発表した新規失業保険申請件数(週間)は、予想(92万5000件)に反して増加し、110万6000件に拡大。再び100万件の大台に乗せた。景気悪化の警戒感は強まったものの、「当面の間は緩和マネーの流入が続く」との見方もあり、新型コロナウイルス禍のなかでも業績が伸びている大型ハイテク株に改めて注目が集まっている。アップルは上場来高値を更新し、マイクロソフトやアマゾン、フェイスブックなども買われた。米10年債利回りが低下に転じたことも、高PER(株価収益率)のハイテク株にとって追い風となっている。
一方、20日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が1.3%安と続落した。一段の金融緩和に対する期待感が後退。中国人民銀行(中央銀行)が朝方公表した事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」(月に一度、原則20日に公表)は、4カ月連続で据え置かれた。予想通りの結果だったが、17日に開催された国務院(内閣に相当)常務会議で「大規模な景気刺激策には依存しない」との方針が確認されたこともあり、より強力な緩和策は打ち出されないとの見方が広がっている。また、中国証券報は20日、「預金準備率引き下げの可能性は低下した」との論説記事を掲載した。
他方、中国商務部の報道官は20日の記者会見で、再開時期が不明だった「第1段階の通商合意」に関する米中閣僚級協議について、「米中両政府は近く開催することで合意した」と発表。ハイテク分野での軋轢は根強いものの、貿易を巡る対立改善の期待は強まる状況だ。トランプ米大統領はこれに先立つ18日、協議は自身がキャンセルしたとして、「中国と今は話したくない」と発言していた。
こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米中摩擦の激化懸念がやや和らいだことがポジティブ材料だ。米ハイテク株高も好感されよう。
また、業績動向に着目した動きも引き続きみられそうだ。本日は、美団点評(3690/HK)や華晨中国汽車HD(1114/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中国太平洋保険(集団)(2601/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、華潤水泥HD(1313/HK)、中聯重科(1157/HK)、国薬HD(1099/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)、雅居楽集団HD(3383/HK)、新疆新キン鉱業(3833/HK)などが中間決算を発表する。
朝方までに報告された主要企業の決算では、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が4〜6月期に利益2.2倍をたたき出した。売上高は前年比で33.8%増となり、コロナ前の増収ペースをほぼ回復している。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定的。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.2%高と4日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.1%高と反発した。ナスダック指数は再び史上最高値を更新する。雇用指標の悪化を嫌気して売られたものの、大型ハイテク株に買いが入り相場を押し上げた。米労働省が20日発表した新規失業保険申請件数(週間)は、予想(92万5000件)に反して増加し、110万6000件に拡大。再び100万件の大台に乗せた。景気悪化の警戒感は強まったものの、「当面の間は緩和マネーの流入が続く」との見方もあり、新型コロナウイルス禍のなかでも業績が伸びている大型ハイテク株に改めて注目が集まっている。アップルは上場来高値を更新し、マイクロソフトやアマゾン、フェイスブックなども買われた。米10年債利回りが低下に転じたことも、高PER(株価収益率)のハイテク株にとって追い風となっている。
一方、20日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が1.3%安と続落した。一段の金融緩和に対する期待感が後退。中国人民銀行(中央銀行)が朝方公表した事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」(月に一度、原則20日に公表)は、4カ月連続で据え置かれた。予想通りの結果だったが、17日に開催された国務院(内閣に相当)常務会議で「大規模な景気刺激策には依存しない」との方針が確認されたこともあり、より強力な緩和策は打ち出されないとの見方が広がっている。また、中国証券報は20日、「預金準備率引き下げの可能性は低下した」との論説記事を掲載した。
他方、中国商務部の報道官は20日の記者会見で、再開時期が不明だった「第1段階の通商合意」に関する米中閣僚級協議について、「米中両政府は近く開催することで合意した」と発表。ハイテク分野での軋轢は根強いものの、貿易を巡る対立改善の期待は強まる状況だ。トランプ米大統領はこれに先立つ18日、協議は自身がキャンセルしたとして、「中国と今は話したくない」と発言していた。
こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米中摩擦の激化懸念がやや和らいだことがポジティブ材料だ。米ハイテク株高も好感されよう。
また、業績動向に着目した動きも引き続きみられそうだ。本日は、美団点評(3690/HK)や華晨中国汽車HD(1114/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中国太平洋保険(集団)(2601/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、華潤水泥HD(1313/HK)、中聯重科(1157/HK)、国薬HD(1099/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)、雅居楽集団HD(3383/HK)、新疆新キン鉱業(3833/HK)などが中間決算を発表する。
朝方までに報告された主要企業の決算では、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が4〜6月期に利益2.2倍をたたき出した。売上高は前年比で33.8%増となり、コロナ前の増収ペースをほぼ回復している。
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