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2020/06/01 09:34

上値の重い展開か、米中対立の警戒感くすぶる 無料記事

◆週明け1日の香港マーケットは、米中対立の警戒感がくすぶるなかで上値の重い展開か。
 外部環境はそれほど悪くない。先週末の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.1%安と小幅に続落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.3%高と続伸した。トランプ米大統領の記者会見を控えたリスク回避の売りでダウは一時1.4%安まで下げたものの、取引時間中に始まった会見は、想定内だとの見方が広がり、急速に下げ幅を縮小させている。会見では、香港の統制を強化する「香港版国家安全法」の制定方針が中国で採択されたことに抗議し、香港に対する優遇策を撤廃するよう政権に指示したことが明らかにされた。一方、「第1段階」の米中通商合意を維持する姿勢が示されたことは、一定の安心感につながっている。
 一方、5月29日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.2%高と続伸。中国の政策に対する期待感が引き続き支えになった。李克強首相は全国人民代表大会(全人代)閉幕後の28日の記者会見で、新型コロナウイルス関連の景気対策が総額6兆人民元(約90兆2700億円)規模に上ることを明らかにしている。また、中国人民銀行(中央銀行)が資金供給スタンスに舵を切っていることもプラス材料だ。
 なお、中国国家統計局と中国物流購入連合会は5月31日、2020年5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.6だったと発表した。3カ月連続で節目の50を上回ったものの、前月実績(50.8)から0.2ポイント低下し、市場予想(51.1)も下回っている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。香港法制を巡る米中対立は、「通商合意を損なう事態には発展しない」との観測はあるものの、依然として不透明感が漂う状況だ。中国と香港の当局者は米側の方針に対し、内政干渉だとして猛反発している。また、中国の景気回復ペースが鈍化していることも気がかり材料だ。


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