2024/12/18 08:37
下値の堅い展開か、中国経済対策の期待感が支え 
◆18日の香港マーケットは、中国経済対策の期待感で下値の堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。17日の米株市場は、米金融政策の見極めで買いが手控えられる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6%安と9日続落し、前日に史上最高値を更新したハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%安と3日ぶりに反落している。18日に判明する米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が気がかり材料となった。今年最後のFOMCでは0.25%利下げが確実視されているものの、朝方公表された11月の米小売売上高が予想を上回るなど、消費堅調がインフレ鈍化をさまたげるとの見方もあり、2025年の金融政策動向が見通せない。連邦準備制度理事会(FRB)が示す政策金利見通しや、パウエルFRB議長の会見を前に、投資家の慎重スタンスが強まった。個別では、規制強化の警戒感が続き、ヘルスケアのユナイテッドヘルス・グループが2.6%安と連日の下落。売上高見通しの上振れでこのところ上昇が目立っていた米半導体大手ブロードコムも3.9%安と売られた。
半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.0%高と3日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が4.6%高、中通快逓(開曼)(2057/HK、ZTO/NYSE)が3.5%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が3.5%高と上げが目立っている。
商品相場は、原油相場が0.9%安と続落し、金先物が0.3%安と4日続落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み下落した。
一方、内部的には好悪材料が入り混じる。景気懸念と政策期待が交錯する状況だ。16日までに公表された11月の中国経済統計では、鉱工業生産は伸びが加速したものの、小売は予想外の減速。金融も予想を下回り、1〜11月の不動産開発投資はマイナスが拡大している。半面、当局の景気対策に対する期待感は根強い。外電は17日、中国政府は2025年の財政赤字比率について、24年の対GDP比3%を上回る4%に設定し、経済成長率目標は「5%前後」で維持することを決定したと報じた。エコノミストの間からは、18日のFOMC後に、金融緩和策が発表されるとの見通しも聞かれている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。米金融政策の不透明感は重しとなるが、中国経済対策の期待感が相場を支えよう。昨夜の米市場で、中国株ADRが上昇したことも買い安心感につながろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。17日の米株市場は、米金融政策の見極めで買いが手控えられる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6%安と9日続落し、前日に史上最高値を更新したハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%安と3日ぶりに反落している。18日に判明する米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が気がかり材料となった。今年最後のFOMCでは0.25%利下げが確実視されているものの、朝方公表された11月の米小売売上高が予想を上回るなど、消費堅調がインフレ鈍化をさまたげるとの見方もあり、2025年の金融政策動向が見通せない。連邦準備制度理事会(FRB)が示す政策金利見通しや、パウエルFRB議長の会見を前に、投資家の慎重スタンスが強まった。個別では、規制強化の警戒感が続き、ヘルスケアのユナイテッドヘルス・グループが2.6%安と連日の下落。売上高見通しの上振れでこのところ上昇が目立っていた米半導体大手ブロードコムも3.9%安と売られた。
半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.0%高と3日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が4.6%高、中通快逓(開曼)(2057/HK、ZTO/NYSE)が3.5%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が3.5%高と上げが目立っている。
商品相場は、原油相場が0.9%安と続落し、金先物が0.3%安と4日続落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み下落した。
一方、内部的には好悪材料が入り混じる。景気懸念と政策期待が交錯する状況だ。16日までに公表された11月の中国経済統計では、鉱工業生産は伸びが加速したものの、小売は予想外の減速。金融も予想を下回り、1〜11月の不動産開発投資はマイナスが拡大している。半面、当局の景気対策に対する期待感は根強い。外電は17日、中国政府は2025年の財政赤字比率について、24年の対GDP比3%を上回る4%に設定し、経済成長率目標は「5%前後」で維持することを決定したと報じた。エコノミストの間からは、18日のFOMC後に、金融緩和策が発表されるとの見通しも聞かれている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。米金融政策の不透明感は重しとなるが、中国経済対策の期待感が相場を支えよう。昨夜の米市場で、中国株ADRが上昇したことも買い安心感につながろう。
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