2024/12/10 08:57
買い先行か、中国経済対策に期待感
◆10日の香港マーケットは、中国の政策期待で買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。9日の米株市場は、米物価動向の見極めで買いが手控えられる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.5%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と反発している。ナスダック指数は先週、史上最高値を更新していた。米国では今週、11日に11月の消費者物価指数(CPI)、12日に同月の生産者物価指数(PPI)が公表される予定。先週発表された11月の米雇用統計がまちまちの内容となる中、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決まると予想されているが、インフレが予想以上に強まった場合は見送られる可能性もある。また、中国当局が9日、独占禁止法違反などの疑いで半導体大手エヌビディアの調査を始めたこともハイテク株全般の重しとなった。エヌビディア株は2.5%安。他の半導体株にも売りが波及している。米政府の対中半導体輸出規制強化に対する対抗措置とみられ、米中対立の激化も警戒された。
半面、中国経済対策の期待感で中国銘柄は急伸。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は8.5%高と3日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が21.7%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が13.0%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が11.0%高と上げが目立っている。
商品相場に関しては、原油相場が1.7%高と4日ぶりに反発し、金先物が1.0%高と続伸。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が概ね上昇した。
一方、内部的には中国経済対策の期待感が高まる状況。翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」が11〜12日に開催される見通しと伝わる中、中央政治局会議が9日開催された。国営メディアの新華社が9日午後報じたところによると、来年は「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を実施する方針。金融政策で「適度に緩和的な金融政策」との文言が盛り込まれたのは、2011年以降で初めてとなる。また、李強・首相は9日、国際通貨基金(IMF)や世界銀行など国際機関10団体の代表らとの会合で、中国内需の拡大に向け、マクロ経済政策の強化などあらゆる手段を講じていくと表明した。
なお、中国では今週から来週にかけ、11月の各種経済統計の公表が集中する。きょう10日に貿易、16日に小売売上高や鉱工業生産など。また金融も15日までに予定されている。きょう報告予定の貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前年同月比8.7%増(前月は12.7%増)、輸入が0.9%増(前月は2.3%減)で着地するとの予想が市場コンセンサスだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。米中対立の警戒感はくすぶるものの、中国の景気支援スタンス強化が相場を押し上げよう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。9日の米株市場は、米物価動向の見極めで買いが手控えられる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.5%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と反発している。ナスダック指数は先週、史上最高値を更新していた。米国では今週、11日に11月の消費者物価指数(CPI)、12日に同月の生産者物価指数(PPI)が公表される予定。先週発表された11月の米雇用統計がまちまちの内容となる中、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決まると予想されているが、インフレが予想以上に強まった場合は見送られる可能性もある。また、中国当局が9日、独占禁止法違反などの疑いで半導体大手エヌビディアの調査を始めたこともハイテク株全般の重しとなった。エヌビディア株は2.5%安。他の半導体株にも売りが波及している。米政府の対中半導体輸出規制強化に対する対抗措置とみられ、米中対立の激化も警戒された。
半面、中国経済対策の期待感で中国銘柄は急伸。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は8.5%高と3日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が21.7%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が13.0%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が11.0%高と上げが目立っている。
商品相場に関しては、原油相場が1.7%高と4日ぶりに反発し、金先物が1.0%高と続伸。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が概ね上昇した。
一方、内部的には中国経済対策の期待感が高まる状況。翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」が11〜12日に開催される見通しと伝わる中、中央政治局会議が9日開催された。国営メディアの新華社が9日午後報じたところによると、来年は「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を実施する方針。金融政策で「適度に緩和的な金融政策」との文言が盛り込まれたのは、2011年以降で初めてとなる。また、李強・首相は9日、国際通貨基金(IMF)や世界銀行など国際機関10団体の代表らとの会合で、中国内需の拡大に向け、マクロ経済政策の強化などあらゆる手段を講じていくと表明した。
なお、中国では今週から来週にかけ、11月の各種経済統計の公表が集中する。きょう10日に貿易、16日に小売売上高や鉱工業生産など。また金融も15日までに予定されている。きょう報告予定の貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前年同月比8.7%増(前月は12.7%増)、輸入が0.9%増(前月は2.3%減)で着地するとの予想が市場コンセンサスだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。米中対立の警戒感はくすぶるものの、中国の景気支援スタンス強化が相場を押し上げよう。
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