2024/12/30 08:43
上値の重い展開か、米長期金利上昇を嫌気 
◆週明け30日の香港マーケットは、米長期金利の上昇を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は不透明。27日の米株市場は、米長期金利の上昇が嫌気される展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8%安と6日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%安と続落している。米インフレ懸念がくすぶる中、米債券市場では米10年債利回りが5月1日以来の高水準に上昇。トランプ米大統領就任を来年1月に控え、同氏の掲げる高関税や国内減税などで、インフレが進むと警戒された。米連邦準備理事会(FRB)は来年の金融政策について、「慎重に進める」との姿勢を示している。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.5%安と5日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が4.8%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.5%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が3.2%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.7%安と下げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が1.4%高と反発する一方、金先物は0.8%安と3日ぶりに反落。ロンドン金属取引所(LME)は、銅やアルミなど主要産品がほぼ全面安だった。
一方、内部環境はそれほど悪くない。27日に公表された11月の工業企業利益については、前年同月比7.3%減と4カ月連続のマイナス成長となったが、減少率は9月の27.1%、10月の10.0%から縮小が続いている。経済対策の期待感も強まる状況。中国人民銀行(中央銀行)が先ごろ、大規模な資金吸収を実施したことに関し、エコノミストからは「預金準備率引き下げの可能性が高まったことを意味する」と指摘している。
なお、中国ではあす31日(日本時間10時半ごろ)、12月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMIが公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、11月と同水準で着地する見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米長期金利の上昇が嫌気されよう。また、香港市場はあす短縮取引となることや、中国指標の発表を前に様子見ムードも漂いそうだ。ただ、中国経済対策の期待感は根強く、下値を叩くような売りもみられないだろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は不透明。27日の米株市場は、米長期金利の上昇が嫌気される展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8%安と6日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%安と続落している。米インフレ懸念がくすぶる中、米債券市場では米10年債利回りが5月1日以来の高水準に上昇。トランプ米大統領就任を来年1月に控え、同氏の掲げる高関税や国内減税などで、インフレが進むと警戒された。米連邦準備理事会(FRB)は来年の金融政策について、「慎重に進める」との姿勢を示している。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.5%安と5日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が4.8%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.5%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が3.2%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.7%安と下げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が1.4%高と反発する一方、金先物は0.8%安と3日ぶりに反落。ロンドン金属取引所(LME)は、銅やアルミなど主要産品がほぼ全面安だった。
一方、内部環境はそれほど悪くない。27日に公表された11月の工業企業利益については、前年同月比7.3%減と4カ月連続のマイナス成長となったが、減少率は9月の27.1%、10月の10.0%から縮小が続いている。経済対策の期待感も強まる状況。中国人民銀行(中央銀行)が先ごろ、大規模な資金吸収を実施したことに関し、エコノミストからは「預金準備率引き下げの可能性が高まったことを意味する」と指摘している。
なお、中国ではあす31日(日本時間10時半ごろ)、12月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMIが公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、11月と同水準で着地する見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米長期金利の上昇が嫌気されよう。また、香港市場はあす短縮取引となることや、中国指標の発表を前に様子見ムードも漂いそうだ。ただ、中国経済対策の期待感は根強く、下値を叩くような売りもみられないだろう。
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