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2020/05/13 09:13

神経質な値動きか、新型コロナ第2波を警戒 無料記事

◆13日の香港マーケットは、新型コロナ感染拡大を巡る警戒感で神経質な値動きか。
 外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.9%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.1%安と7日ぶりに反落した。経済活動正常化の遅延が危惧される。米保健福祉省(HHS)傘下の米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は12日、「経済活動の早期再開は新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を再び起こしかねない」と米上院で証言した。また、国際通貨基金(IMF)のエコノミストも12日、アジアや欧州各国が性急に行動制限を解除した場合、感染の第2波が到来するリスクが高まると警告している。全米各州で行動規制が徐々に緩和されていることを好感し買いが先行したものの、次第に売りが広がった。
 米中関係の不透明感も意識される。ロイター通信は12日、「米共和党上院議員は、新型コロナの説明責任を巡る対中制裁法案をまとめた」と報じた。他方、中国外交部の報道官は12日の定例会見で、「第1段階の通商合意」は米中両国と世界にとって有益だと発言。中国共産党系メディアは前日、「通商合意の見直しを求める声が上がっている」と伝えていたが、同報道官は「合意を履行すべきだ」と述べた。また、中国政府は12日、対中制裁関税の対抗で課していた米産品の追加関税に関し、79品目を新たに適用免除すると発表。米中関係の悪化を食い止める狙いがあるとみられている。
 一方、12日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.1%安と続落。新型コロナ感染の再拡大が警戒された。中国では10日まで、2日続けて10人以上の新規感染が確認されている。国家衛生健康委員会の報道官は11日の記者会見で、「入国者以外の新規感染が報告され、集団感染が増えている」と指摘した。また、朝方公表された4月の物価統計では、卸売物価指数(PPI)が予想以上のマイナスを記録。企業活動の落ち込みを連想させた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。上述したように、新型コロナ感染拡大の警戒感が投資家心理の重しだ。ただ、スマートフォンや自動車などの4月販売が持ち直しているなど好材料もある。金融緩和など中国の経済対策に対する期待感が根強いこともあり、下値を叩くような売りも出ないだろう。


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