2024/12/11 08:36
上値の重い展開か、米中指標が気がかり
◆11日の香港マーケットは、様子見ムードが漂う中で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。10日の米株市場は、米インフレ指標の発表を前に買いが手控えられる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.3%安と4日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.3%安と続落している。米国では翌11日に11月の消費者物価指数(CPI)、12日に同月の生産者物価指数(PPI)が公表される予定。米金融政策に影響を与える重要指標ということもあり、結果を見極めたいとするスタンスが続いた。CPIについては、前年同月比で2.7%上昇するとの予想が市場コンセンサス。上昇率は10月(2.6%)を上回る見通しだ。17〜18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決定されることはほぼ確実視されているが、インフレ動向によっては見送りの恐れもある。米債券市場では、米10年債利回りの上昇が続いた。
前日に急伸した中国銘柄は急反落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は4.3%安だった(前日は8.5%高で3日続伸)。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が11.2%安、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が5.1%安、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が7.9%安と下げが目立っている。
商品相場に関しては、原油相場が0.3%高と続伸し、金先物が1.2%高と3日続伸。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の値動きがまちまちだった。
内部環境は好悪材料が交錯。中国経済対策の期待感が高まる一方、中国経済の鈍化懸念はくすぶっている。9日に開催された中央政治局会議では、来年は「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を実施する方針が確認された。金融政策でこれまでの「穏健な(中立的な)」から「適度に緩和」に変更されたのは、リーマン・ショック後以来14年ぶりとなる。きょう11日から12日まで開催とみられる「中央経済工作会議」は、翌年の経済政策方針を議論する見通し。政治局会議の結果を受け、一段の経済政策が打ち出されるとの観測も強まっている。半面、中国の景気懸念は依然としてくすぶる状況。10日公表された11月の中国貿易統計は、米ドル建て輸出が前年同月比6.7%増(予想は8.7%増)にとどまり、輸入は3.9%減(予想は0.9%増)に落ち込んだ。内需の低迷が続いている。16日に公表される11月の小売売上高や鉱工業生産などや、15日までに発表される金融統計の内容も気がかりだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米中の指標発表を前に、様子見ムードが強まりそうだ。米長期債利回りの上昇も懸念材料となる。ただ、中国経済対策の期待感が大きいだけに、下値を叩くような売りはみられないだろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。10日の米株市場は、米インフレ指標の発表を前に買いが手控えられる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.3%安と4日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.3%安と続落している。米国では翌11日に11月の消費者物価指数(CPI)、12日に同月の生産者物価指数(PPI)が公表される予定。米金融政策に影響を与える重要指標ということもあり、結果を見極めたいとするスタンスが続いた。CPIについては、前年同月比で2.7%上昇するとの予想が市場コンセンサス。上昇率は10月(2.6%)を上回る見通しだ。17〜18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決定されることはほぼ確実視されているが、インフレ動向によっては見送りの恐れもある。米債券市場では、米10年債利回りの上昇が続いた。
前日に急伸した中国銘柄は急反落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は4.3%安だった(前日は8.5%高で3日続伸)。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が11.2%安、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が5.1%安、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が7.9%安と下げが目立っている。
商品相場に関しては、原油相場が0.3%高と続伸し、金先物が1.2%高と3日続伸。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の値動きがまちまちだった。
内部環境は好悪材料が交錯。中国経済対策の期待感が高まる一方、中国経済の鈍化懸念はくすぶっている。9日に開催された中央政治局会議では、来年は「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を実施する方針が確認された。金融政策でこれまでの「穏健な(中立的な)」から「適度に緩和」に変更されたのは、リーマン・ショック後以来14年ぶりとなる。きょう11日から12日まで開催とみられる「中央経済工作会議」は、翌年の経済政策方針を議論する見通し。政治局会議の結果を受け、一段の経済政策が打ち出されるとの観測も強まっている。半面、中国の景気懸念は依然としてくすぶる状況。10日公表された11月の中国貿易統計は、米ドル建て輸出が前年同月比6.7%増(予想は8.7%増)にとどまり、輸入は3.9%減(予想は0.9%増)に落ち込んだ。内需の低迷が続いている。16日に公表される11月の小売売上高や鉱工業生産などや、15日までに発表される金融統計の内容も気がかりだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米中の指標発表を前に、様子見ムードが強まりそうだ。米長期債利回りの上昇も懸念材料となる。ただ、中国経済対策の期待感が大きいだけに、下値を叩くような売りはみられないだろう。
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