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2020/07/23 09:08

上値の重い展開か、米中関係の悪化を懸念 無料記事

◆23日の香港マーケットは、米中関係の悪化を懸念して上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.6%高と3日続伸し、ナスダック指数が0.2%高と反発した。NYダウは約1カ月半ぶりの高値水準を回復している。米中関係の悪化を警戒して売られる場面がみられたものの、新型コロナウイルスのワクチンに関するポジティブニュースが伝わり、投資家のリスク選好が強まった。米ファイザーは22日、独バイオベンチャーのバイオNテックと開発中のコロナワクチンについて、安全性と有効性が確認された場合、米政府が1億回投与分を調達する意向と発表。早期の実用化により、経済回復も早まると期待された。
 他方、米中関係を巡っては、米国務省の報道官が22日、中国の在ヒューストン領事館に閉鎖を命じたことを正式に認めた。米国の知的財産と個人情報を保護するためとしているが、詳細は明らかにしていない。中国外交部はこれより先、「あり得ない措置」と猛抗議し、対抗措置を打ち出す用意があると明言。一部メディアによれば、武漢の米国領事館に対する閉鎖通告を検討中――との情報もある。両国はこれまで、新型コロナウイルス、ハイテク、国家安全保障、香港問題など多数の分野で対立を深めている。
 一方、22日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.4%高と4日続伸。相場の先高観を意識した買いが続いた。中国の証券当局が21日公表したデータによれば、6月の新規証券投資口座設定者数は、前年同月比で46.7%増加している。保険会社の資金運用規制緩和や証券市場の改革方針などもあり、資金流入は一段と加速するとみられた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、米中関係の悪化懸念が足かせとなりそうだ。また、香港で22日、新型コロナの1日あたり感染者数が過去最多を更新したこともネガティブ。香港政府は行動規制などを強めている。


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