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2024/09/05 08:51

米中の景気懸念で上値の重い展開か、自律反発期待の買いも 無料記事

◆5日の香港マーケットは、米中の景気懸念で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は依然としてネガティブ。4日の米株市場は、米利下げ観測と米景気懸念が綱引きとなり方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.1%高と小反発する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%安と続落している。4日に発表された7月の米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数が予想に反し前月から減少し、2021年1月以来の低水準となった。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が0.5%に拡大するとの予想が高まり、米債券市場では米10年債利回りが8月上旬以来の低水準を付けている。半面、米景気の減速懸念が強まり、投資家心理の重しとなった。米サプライマネジメント協会(ISM)が3日に公表した8月の製造業景況感指数は、予想(47.5)を下回る47.2となり、景況判断の境目となる50を5カ月連続で割り込んでいる。また、今週は米連邦準備制度理事会(FRB)が政策判断で重要視する労働関係の指標発表が続くため(5日にADP全米雇用リポートと新規失業保険調査、6日に米雇用統計)、様子見ムードも漂った。
 中国銘柄は小動き。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が0.1%下落している。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)と百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)がそろって1.2%安と下落する半面、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が2.9%高、網易(ネットイース:9999/HK、NTES/NASDAQ)が2.0%高と上昇した。
 資源相場に関しては、4日のWTI原油先物が1.6%安で3日続落。その後の時間外取引では、一時、約9カ月ぶりの安値を付けている。金先物価格は3日ぶりに反発。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の先物価格がまちまちだった。
 内部環境も不透明。中国の景気懸念がくすぶっているほか、中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収が続いている。人民銀が4日に実施したリバースレポを通じた資金供給は7億人民元にとどまり、満期分との差し引きで2766億人民元の吸収超。人民銀は今週、連日で資金吸収している。
 なお、中国では来週、8月の各種経済統計が集中して発表される予定。9日に物価、10日に貿易、14日に小売売上高や鉱工業生産などだ。金融統計も15日までに公表される。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。指数はこのところの下落を受け自律反発狙いの買いは期待できそうだが(4日はハンセン指数が約2週ぶり、上海総合指数が約7カ月ぶりの安値)、米中の景気懸念や指標発表が相場の足かせとなろう。


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