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2020/05/28 09:15

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆28日の香港マーケットは、世界経済の持ち直し期待がある半面、米中関係悪化の警戒感も根強く、全体として方向感を欠く展開か。
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比2.2%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8%高と3日続伸した。ナスダック指数は約3カ月ぶりの高値水準を回復し、史上最高値に接近している。経済正常化の期待が相場を押し上げた。映画・娯楽大手のディズニーは27日、フロリダ州のテーマパークを7月から段階的に再開する方針を発表。大手百貨店のメーシーズは、再開した店舗の業績が想定以上のペースで回復していると報告した。また、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長が27日、新型コロナウイルス感染の第2波を避けられる可能性に言及したと伝わったことも好感されている。欧州市場の主要株価指数も軒並み上昇。欧州連合(EU)の欧州委員会は27日、コロナ禍で疲弊した経済立て直しのため、7500億ユーロの復興基金案を公表した。
 他方、米中関係を巡っては、ポンペオ米国務長官が27日、中国政府が香港の統制を強化する「香港版国家安全法」に絡み、香港に対する優遇措置は認められないと議会に報告した。また、「トランプ政権は香港からの輸入品に適用している関税の優遇措置を停止することを検討している」と関係者の話として伝わっている。
 一方、27日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.3%安と3日ぶり反落。米中関係の悪化懸念が重しとなった。トランプ米大統領は26日の記者会見で、中国政府が香港統制を一段と強化する「香港版国家安全法」を施行した場合、週内にも中国に強力な制裁を科す可能性を示唆している。同法案は、本日閉幕する全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)で採決される予定だ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。世界的な経済活動再開の動きや、中国の政策に対する期待感は支えとなる半面、米中関係の悪化懸念は重しとなる。本日採決される「香港版国家安全法」が注目されそうだ。


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