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2020/06/02 08:25

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆2日の香港マーケットは、好材料と悪材料の綱引きで方向感を欠く展開か。
 外部環境はひとまず良好。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.4%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7%高と続伸した。黒人暴行死の抗議デモや米中対立の警戒感で売りが先行したものの、世界的な景気回復の期待が支えとなり、指数は中盤からプラスに転じている。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した5月の製造業総合景況感指数(PMI)は4カ月ぶりの上昇となり、欧州でもドイツやイタリアの5月PMIが前月から上向いた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)により停止していた経済活動は、徐々に回復しつつあると分析されている。他方、香港の統制を強化する「香港版国家安全法」の制定方針を巡っては、トランプ米大統領が香港に対する優遇策を撤廃するよう政権に指示。これに対し、中国外交部は「香港問題は中国の内政だ」と猛反発した。一部メディアは1日、「中国政府は国営企業に対し、大豆や豚肉など一部農産品の輸入停止を指示した」と報じている。
 一方、1日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が2.2%高と3日続伸。中国経済の持ち直しが期待された。取引時間中に公表された民間集計の5月・財新中国製造業PMIは、予想(49.6)を大幅に上回る50.7に改善。先週末に発表された同月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は50.6となり、予想(51.1)をやや下回ったものの、景況判断の境目となる50は3カ月連続で上回っている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは好悪材料が入り混じるなかで方向感を欠く展開か。上述したように、世界的に経済回復の期待が高まっていることはプラスとなるものの、米中関係の悪化懸念も依然としてくすぶる状況だ。
 なお、本日2日からオンラインゲーム大手の網易(ネットイーズ:9999/HK)が香港IPOの公募を開始する。公募価格の仮条件上限は126.00香港ドルに設定した。今週末5日まで個人投資家の公募を実施し、11日に上場する見込みだ。



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