2025/05/14 08:47 NEW!!
しっかりか、内外環境が安定 
◆14日の香港マーケットは、内外環境の安定でしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は良好。米国の過度なインフレ懸念が薄らいでいる。13日に公表された4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇にとどまり、市場予想(0.3%上昇)を下回った。予想を下回るのは3カ月連続となる。「トランプ関税」の影響が出るのはこれからだとの見方があるものの、米中が一部関税の90日間一時停止で合意したこともあり、物価は安定化するとの期待も高まる状況だ。CPIの下振れを受け、トランプ米大統領は同日、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長に改めて利下げをするよう圧力をかけた――と伝わっている。
13日の米株市場は、好悪材料が入り混じる中でまちまち。一部企業の業績不透明感が逆風となり、主要指標のNYダウが前日比0.6%安と反落した。医療保険最大手のユナイテッドヘルスは朝方、最高経営責任者(CEO)の交代と収益見通しの撤回を発表。同社株は17.8%安と急落した。一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.6%高と5日続伸。半導体など主力株の物色が相場を押し上げた。半導体大手のエヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は13日、サウジアラビアの政府系ファンドが所有するAI(人工知能)スタートアップ企業「ヒュメイン」と業務提携すると発表。エヌビディア株は5.6%高、AMD株は4.0%高と上昇した。両社の関係者は、中東を訪問中のトランプ大統領と同行。トランプ氏はサウジアラビアと経済協力の協定に署名した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.2%高と急伸している。ほか、米債券市場では、米10年債利回りの上昇が続き、一時、約3カ月ぶりの高水準を付けた(債券価格は下落)。米景気懸念が薄らぐ中、安全資産としての債券を売り、リスク資産の株式を買う動きが強まっている。
半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.1%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が6.1%安、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が5.5%安、中通快逓(開曼)(ZTO/NYSE、2057/HK)が2.8%安と下げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が2.8%高と4日続伸。米中の景気懸念が交代し、需要が増えると期待された。NY金先物は前日に急落(3.5%安)した反動もあり、0.6%高と反発している。
内部環境も安定的。米中通商協議の合意を受け、双方はお互いに課した制裁措置を相次ぎ緩和し、景気下押しの懸念が薄らいでいる。また、金融当局が先ごろ、景気支援に向けた施策を公表したことで、景気持ち直しの期待も高まる状況だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。これからも続く米中協議は難航するとの不安があるものの、目先の危機感は後退している。中国の政策で恩恵のある銘柄群などを物色する動きがみられそうだ。ただ、今週は香港上場の主力株が四半期決算を集中して公表するため、内容を見極めたいとするスタンスが高まれば買い手控え要因として意識される可能性もある。14日に騰訊HD(700/HK)、15日に阿里巴巴集団HD(9988/HK)、網易(9999/HK)、吉利汽車(175/HK)が報告する予定だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は良好。米国の過度なインフレ懸念が薄らいでいる。13日に公表された4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇にとどまり、市場予想(0.3%上昇)を下回った。予想を下回るのは3カ月連続となる。「トランプ関税」の影響が出るのはこれからだとの見方があるものの、米中が一部関税の90日間一時停止で合意したこともあり、物価は安定化するとの期待も高まる状況だ。CPIの下振れを受け、トランプ米大統領は同日、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長に改めて利下げをするよう圧力をかけた――と伝わっている。
13日の米株市場は、好悪材料が入り混じる中でまちまち。一部企業の業績不透明感が逆風となり、主要指標のNYダウが前日比0.6%安と反落した。医療保険最大手のユナイテッドヘルスは朝方、最高経営責任者(CEO)の交代と収益見通しの撤回を発表。同社株は17.8%安と急落した。一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.6%高と5日続伸。半導体など主力株の物色が相場を押し上げた。半導体大手のエヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は13日、サウジアラビアの政府系ファンドが所有するAI(人工知能)スタートアップ企業「ヒュメイン」と業務提携すると発表。エヌビディア株は5.6%高、AMD株は4.0%高と上昇した。両社の関係者は、中東を訪問中のトランプ大統領と同行。トランプ氏はサウジアラビアと経済協力の協定に署名した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.2%高と急伸している。ほか、米債券市場では、米10年債利回りの上昇が続き、一時、約3カ月ぶりの高水準を付けた(債券価格は下落)。米景気懸念が薄らぐ中、安全資産としての債券を売り、リスク資産の株式を買う動きが強まっている。
半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.1%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が6.1%安、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が5.5%安、中通快逓(開曼)(ZTO/NYSE、2057/HK)が2.8%安と下げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が2.8%高と4日続伸。米中の景気懸念が交代し、需要が増えると期待された。NY金先物は前日に急落(3.5%安)した反動もあり、0.6%高と反発している。
内部環境も安定的。米中通商協議の合意を受け、双方はお互いに課した制裁措置を相次ぎ緩和し、景気下押しの懸念が薄らいでいる。また、金融当局が先ごろ、景気支援に向けた施策を公表したことで、景気持ち直しの期待も高まる状況だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。これからも続く米中協議は難航するとの不安があるものの、目先の危機感は後退している。中国の政策で恩恵のある銘柄群などを物色する動きがみられそうだ。ただ、今週は香港上場の主力株が四半期決算を集中して公表するため、内容を見極めたいとするスタンスが高まれば買い手控え要因として意識される可能性もある。14日に騰訊HD(700/HK)、15日に阿里巴巴集団HD(9988/HK)、網易(9999/HK)、吉利汽車(175/HK)が報告する予定だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。