2025/05/29 08:32
上値の重い展開か、週末の中国指標発表が気がかり 
◆29日の香港マーケットは、中国指標の発表を週末に控え、全体として上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境には好材料がある。米ハイテク大手の好決算がプラスだ。半導体大手のエヌビディアが28日夕に発表した2〜4月期決算は、売上高が前年同期比で69%増加し、四半期ベースの過去最高を記録。市場予想も上回っている。AI(人工知能)分野の旺盛な需要が引き続き売上増につながった。同社株は通常取引で小安かったものの、決算発表後の時間外取引では高く推移している。
28日の米株市場では主要指標のNYダウが前日比0.6%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%安とそろって反落。エヌビディアの業績動向を見極めたいとするスタンスが強まったほか、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に対する見通しが不透明なこともマイナス材料となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(5月6〜7日開催分)では、経済情勢を巡る不確実性が高まっているとの見解で参加者が一致し、金融政策には慎重姿勢を続けることが適切だと判断されている。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が8.7%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が3.0%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が2.3%安と下げが目立っている。
内部的には指標発表が気がかり材料。中国では週末31日、5月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される。複数の金融機関などが中国景気の持ち直しを示唆しているが、今月公表された5月の経済統計では、小売が市場予想を下回り、不動産関連の悪化が続いた。最新の市場コンセンサス予想では、製造業PMIが4月の49.0→49.5、非製造業PMIが50.4→50.6に上向く見通しだが、予断は許さないだろう。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。エヌビディアの好決算を手がかりに、ハイテク関連などが買われる可能性はあるものの、中国指標を見極めたいとするスタンスが積極的な売買を手控えさせる可能性もある。また、貿易問題を巡る米中協議の進ちょくが伝わってこないことも不安材料だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境には好材料がある。米ハイテク大手の好決算がプラスだ。半導体大手のエヌビディアが28日夕に発表した2〜4月期決算は、売上高が前年同期比で69%増加し、四半期ベースの過去最高を記録。市場予想も上回っている。AI(人工知能)分野の旺盛な需要が引き続き売上増につながった。同社株は通常取引で小安かったものの、決算発表後の時間外取引では高く推移している。
28日の米株市場では主要指標のNYダウが前日比0.6%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%安とそろって反落。エヌビディアの業績動向を見極めたいとするスタンスが強まったほか、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に対する見通しが不透明なこともマイナス材料となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(5月6〜7日開催分)では、経済情勢を巡る不確実性が高まっているとの見解で参加者が一致し、金融政策には慎重姿勢を続けることが適切だと判断されている。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が8.7%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が3.0%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が2.3%安と下げが目立っている。
内部的には指標発表が気がかり材料。中国では週末31日、5月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される。複数の金融機関などが中国景気の持ち直しを示唆しているが、今月公表された5月の経済統計では、小売が市場予想を下回り、不動産関連の悪化が続いた。最新の市場コンセンサス予想では、製造業PMIが4月の49.0→49.5、非製造業PMIが50.4→50.6に上向く見通しだが、予断は許さないだろう。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。エヌビディアの好決算を手がかりに、ハイテク関連などが買われる可能性はあるものの、中国指標を見極めたいとするスタンスが積極的な売買を手控えさせる可能性もある。また、貿易問題を巡る米中協議の進ちょくが伝わってこないことも不安材料だ。
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