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2025/05/21 09:09

上値の重い展開か、米長期金利の上昇が逆風 無料記事

◆21日の香港マーケットは、米長期金利の上昇で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は不透明が漂っている。米金融政策を巡っては、早期の利下げ期待が後退した。米セントルイス連銀のムサレム総裁は20日、米中貿易摩擦が緩和に向かっているとはいえ、インフレ懸念は根強く、当面は政策金利を据え置くことが望ましいと述べている。それに先立つ19日、米アトランタ連銀のボスティック総裁はインフレに対する懸念を強調し、年内利下げは1回にとどまるとの見解を維持した。20日の米債券市場では、前日に上昇一服した米10年債利回りが再び上昇(債券は下落)。利下げ期待の後退に加え、米財政の赤字拡大の懸念も債券売りにつながった。
 同日の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.3%安と4日ぶりに反落。米長期金利の上昇が嫌気されたほか、前日は3月上旬以来の高値を付けたとあって、いったん利益を確定する動きもあった。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%安と3日ぶりに反落している。前日は2月下旬以来の高値を付けていた。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、中通快逓(開曼)(ZTO/NYSE、2057/HK)が8.0%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が1.7%安、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が1.5%安と下げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が0.2%安と3日ぶりに反落した。NY金先物は1.6%高と続伸。金先物は米財政不安を背景に、安全資産としての魅力が買いにつながった。
 一方、内部環境には新規材料が乏しい。中国景気の鈍化懸念がくすぶる中、当局は景気支援のスタンスを強めているが、経済対策はいったん出尽くしたともいえる。中国人民銀行(中央銀行)は20日、最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を引き下げたが、すでに引き下げ方針は明らかにされていた。今後は、各種政策の効果を見極める時間軸となる。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国当局が相次いで景気対策を打ち出したことはプラスだが、このところの上昇相場で織り込んだ可能性もある。米長期金利が再び上昇したことも不安材料だ。




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