2025/05/13 08:55 NEW!!
しっかりか、米中関係融和に期待感 
◆13日の香港マーケットは、米中関係の融和期待でしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はポジティブ。米中の閣僚級通商協議で双方が課した追加関税の大幅引き下げで合意する中、トランプ米大統領は12日、今週末に中国の習近平・国家主席と会談する可能性があると述べた。ベッセント米財務長官は12日(日本時間午後)の会見で、中国とスイス・ジュネーブで行った協議により、相互の関税率を90日間引き下げることで合意したと発表。米中の共同声明によると、米国は対中関税率を今月14日まで145→30%に引き下げ、中国は対米関税率を125→10%に引き下げる。
12日の米株市場は、投資家心理が大幅に改善。主要指標のNYダウが前営業日比2.8%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が4.3%高と4日続伸した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は18.39となり、前日比で16.0%下落。節目の20を下回るのは、3月27日以来、約1カ月半ぶりとなる。米債券市場では、米10年債利回りが上昇(債券価格は下落)。米中の関税引き下げで、過度な米景気懸念が薄らぎ、安全資産としての債券に売りが出た。
中国銘柄も急伸。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は5.4%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が7.6%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が6.6%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が6.5%高と上げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が1.5%高と3日続伸する一方、NY金先物は3.5%安と大幅に反落した。
内部環境も安定的。米中が双方で課した高関税を90日間停止することで合意する中、過度な景気懸念も薄らいでいる。先ごろ官民が公表した4月の景況感指数は、前月から大幅に悪化していた。また、金融当局が先週、預金準備率とリバースレポ金利を引き下げるほか(それぞれ今月15日、8日付で実施)、不動産市場と株式市場の安定化に向け、一連の措置を実施すると発表したことも相場の下支え要因となろう。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。閣僚級通商協議の共同声明は12日の本土市場が閉まったあとだったため、きょうの本土株は急上昇でスタートしそうだ。前日の香港市場ではハンセン指数が8連騰したとあって、売り圧力も意識される状況だが、投資家のリスク選好が高まっているだけに下値も堅そうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はポジティブ。米中の閣僚級通商協議で双方が課した追加関税の大幅引き下げで合意する中、トランプ米大統領は12日、今週末に中国の習近平・国家主席と会談する可能性があると述べた。ベッセント米財務長官は12日(日本時間午後)の会見で、中国とスイス・ジュネーブで行った協議により、相互の関税率を90日間引き下げることで合意したと発表。米中の共同声明によると、米国は対中関税率を今月14日まで145→30%に引き下げ、中国は対米関税率を125→10%に引き下げる。
12日の米株市場は、投資家心理が大幅に改善。主要指標のNYダウが前営業日比2.8%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が4.3%高と4日続伸した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は18.39となり、前日比で16.0%下落。節目の20を下回るのは、3月27日以来、約1カ月半ぶりとなる。米債券市場では、米10年債利回りが上昇(債券価格は下落)。米中の関税引き下げで、過度な米景気懸念が薄らぎ、安全資産としての債券に売りが出た。
中国銘柄も急伸。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は5.4%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が7.6%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が6.6%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が6.5%高と上げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が1.5%高と3日続伸する一方、NY金先物は3.5%安と大幅に反落した。
内部環境も安定的。米中が双方で課した高関税を90日間停止することで合意する中、過度な景気懸念も薄らいでいる。先ごろ官民が公表した4月の景況感指数は、前月から大幅に悪化していた。また、金融当局が先週、預金準備率とリバースレポ金利を引き下げるほか(それぞれ今月15日、8日付で実施)、不動産市場と株式市場の安定化に向け、一連の措置を実施すると発表したことも相場の下支え要因となろう。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。閣僚級通商協議の共同声明は12日の本土市場が閉まったあとだったため、きょうの本土株は急上昇でスタートしそうだ。前日の香港市場ではハンセン指数が8連騰したとあって、売り圧力も意識される状況だが、投資家のリスク選好が高まっているだけに下値も堅そうだ。
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