2025/06/04 08:42
上値の重い展開か、米中協議の進ちょくが気がかり 
◆4日の香港マーケットは、米中協議の進ちょく見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境には好材料と悪材料が交錯している。貿易問題を巡る過度な警戒感が薄れていることはプラスだ。米ホワイトハウスは3日、米通商代表部(USTR)が貿易相手国に対し、最善の貿易交渉案を4日までに提示するよう求める書簡を送ったことを明らかにした。4月に発動した「相互関税」を90日間猶予するとした措置の期限が近づく中、通商合意を急ぐ狙いがある。また、複数の米高官は、「トランプ米大統領が週内に中国の習近平・国家主席と会談する可能性が高い」と相次ぎ発言。米中が対立し、貿易交渉が停滞していることの打開も期待されている。一方、景気懸念が強まっていることはマイナスだ。経済協力開発機構(OECD)が3日公表した最新の経済見通しでは、世界の2025年経済成長率予想が3月に示した3.1%→2.9%に下方修正されている。予想の引き下げは今年2回目で、昨年の3.3%から大幅に減速すると予想した。
3日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.5%高と4日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.8%高と続伸した。OECDの成長見通し引き下げは重しとなったものの、貿易交渉の進展期待が引き続き支えとなっている。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.6%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が6.1%高、網易(ネットイース:NTES/NASDAQ、9999/HK)が2.3%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が1.9%高と上げが目立っている。
商品相場は、ウクライナやイランの地政学リスクが再び意識され、WTI原油先物が1.4%高と続伸した。一方、NY金先物も1.4%安と反落している。
内部環境は悪くない。中国景気の先行き不安がやや薄らいでいる。足元では景況感の悪化が続いているものの、OECDは中国の25年成長率予測を前回の4.8%→4.7%と小幅な引き下げにとどめ、26年成長率予測を4.3%と前回から据え置いた。中国の景気刺激策が経済を支えると分析している。
こうした中、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜の米株高は好感されそうだが、米中協議の進ちょくを見極めたいとするスタンスが相場の足かせとなりそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境には好材料と悪材料が交錯している。貿易問題を巡る過度な警戒感が薄れていることはプラスだ。米ホワイトハウスは3日、米通商代表部(USTR)が貿易相手国に対し、最善の貿易交渉案を4日までに提示するよう求める書簡を送ったことを明らかにした。4月に発動した「相互関税」を90日間猶予するとした措置の期限が近づく中、通商合意を急ぐ狙いがある。また、複数の米高官は、「トランプ米大統領が週内に中国の習近平・国家主席と会談する可能性が高い」と相次ぎ発言。米中が対立し、貿易交渉が停滞していることの打開も期待されている。一方、景気懸念が強まっていることはマイナスだ。経済協力開発機構(OECD)が3日公表した最新の経済見通しでは、世界の2025年経済成長率予想が3月に示した3.1%→2.9%に下方修正されている。予想の引き下げは今年2回目で、昨年の3.3%から大幅に減速すると予想した。
3日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.5%高と4日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.8%高と続伸した。OECDの成長見通し引き下げは重しとなったものの、貿易交渉の進展期待が引き続き支えとなっている。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.6%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が6.1%高、網易(ネットイース:NTES/NASDAQ、9999/HK)が2.3%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が1.9%高と上げが目立っている。
商品相場は、ウクライナやイランの地政学リスクが再び意識され、WTI原油先物が1.4%高と続伸した。一方、NY金先物も1.4%安と反落している。
内部環境は悪くない。中国景気の先行き不安がやや薄らいでいる。足元では景況感の悪化が続いているものの、OECDは中国の25年成長率予測を前回の4.8%→4.7%と小幅な引き下げにとどめ、26年成長率予測を4.3%と前回から据え置いた。中国の景気刺激策が経済を支えると分析している。
こうした中、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜の米株高は好感されそうだが、米中協議の進ちょくを見極めたいとするスタンスが相場の足かせとなりそうだ。
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