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2025/02/10 08:56

売り先行か、米中の関税応酬を不安視 無料記事

◆週明け10日の香港マーケットは、米中の関税応酬が警戒される中で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。7日の米株市場は、米追加利下げの期待後退で売られる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.0%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.4%安と4日ぶりに反落している。インフレ懸念が再燃し、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを遅らせるとの見方が広がった。米労働省が公表した1月の米雇用統計では、(非農業部門の)雇用者数が縮小したものの、失業率は前月から改善。また、ミシガン大学が発表した1年先の期待インフレ率(速報値)は、予想外に前月から大幅上昇し、2008年6月以来の高水準となった。
 「貿易戦争」の警戒感も強まる。トランプ米大統領は7日、貿易相手国と同様の関税を課す「相互関税」の導入計画を近く公表する予定だと述べている。また、中国政府は10日、トランプ政権が先ごろ課した追加関税の報復措置として、米国から輸入する石油や液化天然ガス(LNG)などに最大15%の追加関税を発動する予定だ。
 半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.3%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が4.9%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が3.1%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.5%高と上げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が0.6%高と4日ぶりに反発し、金先物も0.4%高と反発している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇した。
 一方、内部的にはデフレ懸念がくすぶる。9日に公表された今年1月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)が前年同月比でプラス0.5%となり、予想(0.4%)を上回ったが、生産者物価指数(PPI)はマイナス2.3%となり、予想(2.2%)以上に下落した。CPIの上振れは旅行需要の増加など春節(旧正月)効果によるもので、自動車などは値下がりし、内需の弱さは続いていると市場関係者は分析している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行しそうだ。米中の関税応酬など「貿易戦争」の警戒感が投資家心理の重しとなる。また、先週は、ハンセン指数が約4カ月ぶり、上海総合指数が約1カ月半ぶりの高値を付けたとあって、売り圧力も意識されよう。


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