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2025/04/15 08:46

買い先行も上値の重い展開か、あすの中国指標が気がかり 無料記事

◆15日の香港マーケットは、中国指標の発表を前に上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はひとまず安定。トランプ米政権の関税引き上げに対する過度な警戒感が薄れている。トランプ米大統領は11日、「相互関税」からスマートフォンやコンピューターなど電子機器・部品を除外すると発表。13日には「除外した製品は『半導体関税』に移行するだけだ」と強調したが、市場関係者の間には、相互関税よりも品目別関税の方が緩やかにとどまるとの見方も浮上している。また、トランプ氏は14日、輸入自動車・部品に対する関税を一時免除する可能性について検討していることを明らかにした。それより先、米国が対中追加関税を計145%に引き上げたことに対抗し、中国財政部は対米追加関税を84%→125%に引き上げるとしたうえで、これ以上の関税応酬は意味がないとして、関税賦課は打ち止めにすると表明。貿易戦争がこれ以上エスカレートしないとの期待も高まっている。
 14日の米株市場は、投資家のリスク回避スタンスがやや後退し、主要指標のNYダウが前営業日比0.8%高と続伸。ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.6%高と続伸している。アップルなど、中国を含む海外に生産拠点を持つハイテク銘柄に買いが先行した。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.2%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が5.8%高、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が5.4%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が4.8%高と上げが目立っている。
 米債券市場では、米10年債利回りが下落(債券価格は6日ぶり反発)。米債券はこのところ、投資家の換金売りや中国の売却観測などで下げが続いていた。
 商品相場は、WTI原油先物が0.03%高と小幅ながら続伸。一方、NY金先物は0.6%安と5日ぶりに反落した。ロンドン金属取引所(LME)では、銅が上昇しアルミが下げるなど主要産品がまちまちだった。
 一方、内部的には中国指標が気がかり。中国ではあす16日、3月の小売売上高や鉱工業生産、第1四半期GDP成長率などが発表される。注目のGDP成長率に関しては、昨年第4四半期(10〜12月)の5.4%→5.2%に減速するとの予想が市場のコンセンサスだ。中国政府は今年の成長率目標を「5.0%前後」に設定しているが、達成は困難との見方も強まっている。
 なお香港市場は今週18日がグッドフライデー、週明け21日がイースターマンデーで休場となる。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買い先行も上値の重い展開か。米高関税政策に軟化の兆しがみられる事はプラスだが、不透明感が完全に払しょくされたわけではない。あすの中国指標を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながろう。


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