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2025/01/08 08:43

神経質な値動きか、米長期金利の上昇を懸念 無料記事

◆8日の香港マーケットは、米長期金利の上昇で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。7日の米株市場は、米長期金利の上昇が嫌気される展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.4%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.9%安と3日ぶりに反落している。米経済指標の堅調な内容を受け、米債券市場では米10年債利回りの大幅上昇が続き、一時は昨年5月上旬以来の高水準を付けた。米サプライマネジメント協会(ISM)が7日公表した2024年12月の非製造業景況感指数(PMI)は54.1となり、予想(53.3)以上に11月(52.1)から上昇。同日発表された11月の米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数が減少予想に反して前月から増加した。米連邦準備理事会(FRB)が利下げペースを鈍化させるとの観測も高まっている。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.2%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.3%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.2%安と下げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が0.9%高と反発、金先物は0.7%高と3日ぶりに反発。ロンドン金属取引所(LME)は、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇した。
 一方、内部環境に目立った手がかりはない。中国当局の相場テコ入れスタンスや、消費拡大に向けた政策支援の動きなどはあるものの、投資家心理を上向かせるには至っていない状況だ。期待されている金融緩和策に関しても、トランプ次期米大統領が就任する今月20日までは打ち出されないとの観測も浮上している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。このところの下落基調を受けた自律反発狙いの買いが入る可能性はあるものの、米長期金利の上昇が重しとなろう。米国の対中圧力強化も引き続きマイナス材料として意識されそうだ。


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