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2025/02/14 08:46

しっかりか、「トランプ関税」の過度な警戒感後退 無料記事

◆14日の香港マーケットは、「トランプ関税」の警戒感後退でしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややポジティブ。13日の米株市場は、米関税政策の懸念がひとまず薄らぐ中で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%高と続伸している。トランプ米大統領は13日、貿易相手国と同様の関税を課す「相互関税」を導入する覚書に署名したが、国ごとに精査した上で個別に対応を取るとしたことで、交渉の余地があると期待された。広範囲な関税がインフレを更新させるとの警戒感も和らいでいる。米長期金利の低下もプラス。朝方公表された1月の米卸売物価指数(PPI)は予想を上回ったものの、一部の項目で低下がみられたことで、インフレが大幅に加速するとの懸念は後退した。この日の米債券市場では、米10年債利回りが急低下した。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が5.8%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が4.6%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が3.5%高と上げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が0.1%安と続落する一方、金先物は0.6%高と3日ぶりに反発している。ロンドン金属取引所(LME)では、アルミなどは下げたが銅は上昇するなど主要産品の値動きは全体としてしっかりだった。
 内部環境も悪くない。生成AI(人工知能)の進化が各産業の発展に寄与するとの見方が根強いほか、中国不動産業界の債務問題解消に向けた動きが期待されるなど、当局が景気対策を強めるとの期待も広がっている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。「トランプ関税」の過度な警戒感が薄れたことで、投資家に買い安心感が広がろう。利食い売りで前日に下げたAI関連の銘柄に、改めて注目が集まりそうだ。


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