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2025/01/07 08:50

神経質な値動きか、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆7日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。6日の米株市場は、米長期金利の高止まりは重しとなったが、ハイテク産業の成長期待が相場を支える展開だった。主要指標のNYダウは反落したが、下げ率は前営業日比0.05%にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.23%高と続伸している。トランプ次期米大統領の就任を20日に控える中、一部外電が「公約に掲げる一律の関税引き上げは限定的なものになる」と報じたが、トランプ氏は同報道を否定。高関税政策がインフレを進行させるとの警戒感が強まり、米債券市場では米10年債利回りの上昇が一段と進んだ。一方、AI(人工知能)ブームが拡大するとの見方はハイテク株全般の支えとなっている。エヌビディアなどの製品を受託生産する電子機器受託製造サービス(EMS)世界最大手の台湾・鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー:2317/TW)は5日、2024年の連結売上高が前年比11.37%増の6兆8599億台湾ドル(約32兆8700億円)に達したと発表。AI関連の需要が続き、過去最高の売上高を記録したことを明らかにした。エヌビディア株は3.4%上昇している。
 一方、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が3.4%安、中通快逓(開曼)(ZTO/NYSE、2057/HK)が1.9%安、微博(ウェイボー:WB/NASDAQ、9898/HK)が1.6%安と下げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が0.5%安と6日ぶりに反落、金先物は0.3%安と続落。ロンドン金属取引所(LME)は、銅が上昇する一方、アルミが下落するなど主要産品の値動きがまちまちだった。
 内部環境はやや不透明。本土株安が懸念材料だ。資金流出懸念が続く中、上海総合指数は6日までに4日続落し、昨年10月17日以来、約2カ月半ぶりの安値水準を連日で切り下げている。対米ドルの人民元安が進むとの見方が根強いほか、中国10年国債の上昇(=利回り低下)が止まらず、市場からは「株式市場の低迷で投資家が安全資産としての債券にシフトした」との声も聞かれた。
 ただ、当局の相場安定に向けた動きはプラス。上海・深セン証券取引所は昨年末から年初にかけ、複数の大手投資信託に対し、株式売却を制限するよう要請したもようだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米ハイテク株高は好感されそうだが、米金利高や「トランプ関税」の警戒感が重しだ。


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