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2025/07/24 08:48

上値の重い展開か、高値警戒で売り圧力も 無料記事

◆24日の香港マーケットは、高値警戒で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。米国と貿易相手国の関税交渉が進展し、経済混乱の不安が薄らいでいる。英メディアは23日、難航していた米国と欧州連合(EU)の貿易交渉について、「合意は間近」と報じた。また、トランプ米大統領は22日、日本と関税交渉で合意したことを自身のSNSに投稿している。米中貿易交渉に関しては、中国商務部が23日、何立峰・副首相が27〜30日にストックホルムを訪問し、米国と閣僚級協議を行うと発表。ベッセント米財務長官が前日、来週(28〜29日)ストックホルムで中国の当局者と3回目となる通商協議を実施すると述べたことを認めた。8月12日に期限を迎える追加関税の一時停止措置の延長や、輸出規制の緩和がテーマに上るとみられている。トランプ氏は23日、中国との貿易合意をまとめている最中だと述べた。
 23日の米株市場は、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が前日比で0.8%上昇し、3日連続で史上最高値を更新。主要指標のNYダウは1.1%高と続伸し、昨年12月に付けた最高値に接近した。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.6%高と反発し、再び最高値を更新している。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.8%高と続伸している。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が4.8%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が2.8%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.6%高と上げが目立った。
 一方、内部環境に目立った変化はない。中国経済対策に対する期待感が持続している。当局はこのところ、製造業やサービス業などの競争激化を抑制することに注力しているほか、大型インフラプロジェクトもスタートさせた。また、中国では月末までに、下半期の政策方針を決定する中央政治局会議が開かれる予定。新たな経済対策が打ち出されるとの思惑も広がっている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米株の高値更新や、米中関係の改善期待など好材料はあるものの、指数はこのところの上昇で売り圧力も高まっている(ハンセン指数は約3年8カ月ぶり、上海総合指数が約3年半ぶりの高値)。中国の政策動向を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因となる可能性もあろう。


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