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2025/07/22 08:50

しっかりか、米長期金利の低下基調が追い風に 無料記事

◆22日の香港マーケットは、高値警戒も米長期金利の低下で下値の堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は好材料と悪材料が交錯。米長期金利の低下基調はプラス材料だ。ベッセント米財務長官が「インフレデータが低ければ利下げすべきだ」と述べたほか、6月の米景気先行指数が再びマイナスに落ち込んだことを受け、21日の米債券市場では、米10年債利回りが7月10日以来の低い水準を付けている。米ミシガン大学が18日公表した7月の消費者態度指数(速報値)では、1年先の期待インフレ率が前月から低下し、5カ月ぶりの低水準だった。半面、米関税政策の不透明感が強まっていることは懸念材料。米国と欧州連合(EU)は貿易交渉の合意に向け詰めの協議をしているが、米国が譲歩しなかった場合、EUは米国に対する対抗措置を強化することを検討していると伝わった。また、米ホワイトハウスのレビット報道官は、「8月1日までに、追加で関税に関する書簡が送付される可能性がある」と述べている。
 21日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前営業日比0.04%安と小幅に続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%高と6日続伸した。ナスダック指数は連日で史上最高値を更新している。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.3%安と3日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が6.6%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が4.9%安、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が4.1%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が1.5%安と下げが目立った。
 一方、内部環境は安定的。中国の政策に対する期待感が続いている。チベット自治区を流れるヤルンツァンポ川の下流で19日、世界最大級の大規模水力発電ダムが着工。同プロジェクトの総投資額は約1兆2000億人民元(約24兆8200億円)に上り、市場では景気刺激策の一環だとの見方が広がっている。また、中国では月末までに、下半期の政策方針を決定する中央政治局会議が開かれる予定。新たな経済対策が打ち出されるとの思惑もある。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは、全体としてしっかりか。中国の政策期待や、米金利の低下基調が相場を支えよう。香港は金融政策で米国に追随するため、米金利安は追い風となる。ただ、上値は重そうだ。指数はこのところの上昇で売り圧力も高まっている(前日はハンセン指数が約3年半ぶり、上海総合指数が約3年8カ月ぶりの高値)。


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