/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル 亜州リサーチ公式X 亜州リサーチ公式Instagram

2025/07/21 08:55

しっかりか、米長期金利の低下が支え 無料記事

◆週明け21日の香港マーケットは、米金利安を手がかりにしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には好悪材料が入り混じる。「トランプ関税」の不透明感が改めて意識されていることはマイナスだ。英メディアは18日、トランプ米政権が欧州連合(EU)からの全輸入品に15〜20%の最低関税を課す構えだと報道。通商合意に至った場合でも、10%を超える関税率を検討しているほか、自動車に対する25%の関税計画も変更する予定はないという。また、トランプ米大統領は18日、新興国グループ「BRICS」に対し、10%の関税を課す方針を改めて表明した。半面、米長期金利の低下は好材料。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は17日、今月29〜30日に開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25ポイント引き下げるべきだとの考えを示した。また、米ミシガン大学が18日公表した7月の消費者態度指数(速報値)では、1年先の期待インフレ率が前月から低下し、5カ月ぶりの低水準となっている。米債券市場では、長期金利の指標となる米10年債利回りが低下した(債券価格は上昇)。
 18日の米株市場は方向感を欠く。主要指標のNYダウが前日比0.3%安と3日ぶりに反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.04%高と小幅ながら5日続伸した。ナスダック指数は連日で史上最高値を更新している。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.6%高と続伸している。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が7.2%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が3.8%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が2.5%高と上げが目立った。
 内部環境に目立った変化はない。中国では月末までに、下半期の政策方針を決定する中央政治局会議が開かれる予定。追加の消費刺激策に対する期待感が高まっている。廖岷・財政部副部長は18日、均衡のとれた対外貿易を維持しながら、消費主導の経済モデルに移行していく考えを明らかにした。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは、全体としてしっかりか。米長期金利の低下が好感されそうだ。また、「トランプ関税」の警戒感は依然としてくすぶるものの、米中関係の改善期待は続いている。王文涛・商務部長は18日、「米国とのデカップリング(分断)は不可能」と発言したうえで、貿易問題を対話で解決していくべきだと協調した。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース