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2025/07/25 08:47

動意薄の展開か、中国指標や米中協議を見極め 無料記事

◆25日の香港マーケットは、高値警戒感と様子見ムードで動意を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。米国と貿易相手国の関税交渉進展がプラス材料だ。今週は日本との関税交渉が合意に達し、欧州連合(EU)との交渉も近くまとまるとの見方が広がっている。英メディアが「合意は間近」と報じたほか、ドイツのメルツ首相も23日、合意は近いとの認識を示した。また、来週は中国との閣僚級協議が予定されている。ベッセント米財務長官は24日、中国との貿易は良好な状態だと述べた。米政権はこのところ、中国に対する態度を軟化させている。
 24日の米株市場は、決算動向をにらみながらまちまちだった。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が前日比で0.1%上昇し、4日連続で史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.2%高と続伸し、前日に続き最高値を更新している。アルファベット(グーグルの持ち株会社)の4〜6月期決算は予想を上回り、株価は1.0%上昇した。人工知能(AI)技術の進化により、今後の業績も拡大すると予想されている。AIやクラウド、半導体などの銘柄に買いが波及した。一方、主要指標のNYダウは0.7%安と3日ぶりに反落。IBMの4〜6月期決算は予想を上回ったものの、主力のソフトウエア部門が予想に届かず、同社株は7.6%安と急落した。労働市場の堅調を受け、米10年債利回りの上昇(債券価格は続落)が続いたこともマイナス材料。米労働省が24日公表した新規失業保険申請件数(週間)は予想を下回り、4月以来の低水準となっている。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.5%安と3日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が4.7%安、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が2.7%安、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が2.3%安と下げが目立った。
 一方、内部環境に新規の取引材料は乏しい。月末にかけて報告される中国経済統計では、27日に6月の工業企業利益、31日に7月の製造業PMIと非製造業PMIなどがある。また、月末までに、下半期の政策方針を決定する中央政治局会議が開かれる予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として動意を欠く展開か。月末にかけては、米中の閣僚級会議が開かれるほか、中国の経済指標も発表される。このところの上昇で高値警戒感が高まっていることもあり(前日はハンセン指数が約3年8カ月ぶり、上海総合指数が約3年7カ月ぶりの高値)、積極的な売買が手控えられそうだ。


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