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2020/03/19 09:08

下値を固める展開か、NYダウ先物高が支えに 無料記事

◆19日の香港マーケットは、米株先物高を支えに下値を固める展開か。
 外部環境は再びネガティブに傾く。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比6.3%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が4.7%安とそろって急反落した。NYダウは2017年2月以来、約3年1カ月ぶりに節目の2万ドルを下回っている(終値は19898.92ドル)。パニック売りが膨らむ。米政権は巨額の経済対策を打ち出したものの、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の縮小は長期化するとの見方が強まり、投資家心理が上向くことはなかった。原油や金などの商品や債券も軒並み急落し、「現金化」の動きが加速している。新型コロナのパンデミック(世界的流行)により、欧州や米国では製造業の操業や店舗の営業停止、国境の閉鎖が相次ぐ状況だ。トランプ米大統領は18日、米国とカナダの国境を一時閉鎖すると発表。フランスでは17日正午から全土で外出禁止措置が始まり、陸軍が部隊を展開した。
 ただ、時間外取引のNYダウ先物は、日本時間19日朝方に急反発している(原油先物も同様に急反発)。欧州中央銀行(ECB)は18日(日本時間19日)、緊急の債券買い入れプログラムを開始すると発表した。
 一方、18日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.8%安と6日続落。終値ベースでは、19年2月15日以来、1年1カ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。景気不安の売りが止まらない。世界的なサプライチェーンの寸断による経済活動の縮小懸念が依然としてくすぶる状況だ。ゴールドマン・サックス(GS)は17日付のリポートで、中国のGDP成長率見通しを下方修正し、2020年1〜3月期に前年同期比でマイナス9%まで悪化するとの見方を示している(従来予想はプラス2.5%)。今後数カ月でパンデミックが抑えられない限り、中国経済の回復は遅れると分析した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは下値を固める展開か。ハンセン指数や上海総合指数はこのところの下げが急ピッチだったこともあり、NYダウ先物高を支えに買いが入る可能性もあろう。
 なお香港では、主要企業の決算報告が本格化している。本日は長江和記実業(1/HK)や香港中華煤気(3/HK)、中国移動(941/HK)、長江実業集団(1113/HK)、中国利郎(1234/HK)、京信通信系統HD(2342/HK)、中信証券(6030/HK)、あす20日は招商銀行(3968/HK)や中国太平洋保険(集団)(2601/HK)、江蘇寧滬高速公路(177/HK)、華潤ビールHD(291/HK)、利豊(494/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、招金鉱業(1818/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、重慶機電(2722/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)、東方海外(316/HK)などが通期決算を報告する予定だ。
 前日に公表された注目の決算では、中国インターネットサービス最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が通期19%増益だった。


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