/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル 亜州リサーチ公式X 亜州リサーチ公式Instagram

2025/05/19 08:56

神経質な値動きか、米国債格下げや中東地政学リスクが重しに 無料記事

◆週明け19日の香港マーケットは、外部環境の不透明感で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は不透明。格付け会社ムーディーズ・レーティングスは16日夕方、米国債の格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げている。米国の財政赤字は縮小に向かう兆しが見えず、米債務が拡大する可能性が指摘された。これにより、主要格付け3社がそろって米国の信用格付けを最上位から引き下げたことになる。同日の米債券市場では、米10年債利回りが一時4.49%台に急上昇した(4.48%で終了)。中東地域の地政学リスクも懸念材料。イスラエル軍は18日、パレスチナ自治区ガザで大規模な新軍事作戦を開始したと発表した。中東メディアによると、ガザの死者数はこの日だけで少なくとも135人に上るという。
 15日の米株市場は、関税交渉の進展で米景気懸念が後退し、主要指標のNYダウが前日比0.8%高と続伸。約2カ月ぶりの高値水準を回復した。このところ悪材料が相次いでいたユナイテッドヘルス・グループが6.4%高と9日ぶりに反発し、指数を押し上げている。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5%高と反発した。ただ、19日朝方の米株先物は安く推移している。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.1%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が6.7%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が3.0%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.8%高と上げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が1.4%高と3日ぶりに反発する一方、NY金先物は1.2%安と反落している(ただ、19日早朝の金先物価格は急上昇している)。
 内部的には中国の経済指標が気がかり。本日の取引時間中に(日本時間午前11時ごろ)、4月の小売売上高や鉱工業生産などが発表される。小売売上高、鉱工業生産ともに前月から伸びが鈍化するとの予想がコンセンサスだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米国債格下げや、中東地域の地政学リスクが重しとなる。ただ、中国指標の内容によっては、投資家のリスク選好が高まる可能性もあろう。
 なお、株価指数を算出するハンセン・インデックシズ(HSI)は16日引け後、四半期ごとに行っている指数構成銘柄の定期見直しの結果を発表。ハンセン指数の構成銘柄に、美的集団(マイディア・グループ:300/HK)と中通快逓(開曼)(ZTOエクスプレス・ケイマン:2057/HK)の2銘柄をを新規採用した。除外銘柄はなし。これにより、ハンセン指数の構成銘柄は83→85に増加する運びだ(入れ替えは6月9日に発効)。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース