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2020/01/17 09:05

米株高を追い風に買い先行か、中国GDPは波乱要因にも 無料記事

◆17日の香港マーケットは、米株高を好感して買い先行しそうだが、中国GDPは波乱要因となる恐れもあろう。
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.9%高と4日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%高と続伸した。NYダウは連日で史上最高値を更新し、ナスダック指数は3日ぶりに最高値を切り上げている。堅調な米景気指標の発表が相次ぎ、投資家心理が一段と上向いた。全米小売業協会(NRF)は16日、2019年の年末商戦が前年同期比で予想以上に伸びたことを明らかにしている。また、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は昨年12月の数値を上回り、8カ月ぶりの高水準を記録。米新規失業保険件数(週間)は5週連続で減少した。さらに、主要企業の19年10〜12月期決算報告が進むなか、金融大手モルガン・スタンレーの業績が上振れたことも買い材料。このほか、ICファウンドリ(受託生産)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)が16日、20年12月期の売上高が2割増えるとの見通しを示したこともプラスだ。半導体需要が回復するとの見方がハイテク株全体の追い風となった。
 一方、16日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.5%安と3日続落。指標発表前に買いが手控えられた。国家統計局は17日、19年10〜12月GDP成長率と12月の各種経済統計(小売売上高や固定資産投資、鉱工業生産など)を公表する。内容を見極めたいとするスタンスが強まった。一方、米中両政府は昨夜、通商協議「第1段階の合意」文書に署名。目先の好材料が一旦出尽くしたとの見方も広がった。
 注目の中国GDP成長率は日本時間11時ごろに発表される。事前予想では、10〜12月期が6.0%(前四半期6.0%)、19年通期は政府目標値「6.0〜6.5%」の中間となる6.2%で着地すると見込まれている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米株高を好感して買い先行しそうだが、中国GDP成長率の発表が気がかりだ。劉鶴・副首相は「19年の中国GDP成長率は6%を上回った」との見通しを示しているものの、結果によっては波乱要因となる恐れがあろう。


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