/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2020/06/10 09:05

神経質な値動きか、中国指標と米金融政策が気がかり 無料記事

◆10日の香港マーケットは、中国指標と米金融政策を気にしながら神経質な値動きか。
 外部環境は中立。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.1%安と7日ぶりに反落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と3日続伸(最高値更新)するなどまちまちだった。指数は「直近の上昇ピッチが急激」と指摘されるなど、過熱感が意識されている。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表をあすに控え、金融動向を見極めたいとするスタンスも強まった。他方、ナスダック指数は、半導体の内製化が期待されたアップル、ネット通販拡大の思惑が高まったアマゾンがそろって3%超上昇し(それぞれ上場来高値更新)、指数を押し上げている。
 一方、9日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.6%高と3日続伸。3月11日以来、約3カ月ぶりの高値水準を連日で切り上げた。世界的な経済活動の正常化を受けて、早期の景気回復が期待されている。新型コロナウイルス感染拡大が深刻だった米ニューヨーク市では8日、予定通り経済活動が再開された。また、中国経済の回復は順調に進行中――との見方も広がる状況。業界団体が発表した油圧ショベルの月次統計では、5月の販売増加率が4月を上回った。また、同月の乗用車小売台数は、小幅ながら11カ月ぶりにプラス成長を回復している。
 なお、本日朝方には(日本時間午前10時半ごろ)、中国の5月物価統計が公表される。直前の市場コンセンサスでは、消費者物価指数(CPI)が前年同月比プラス2.7%(前月はプラス3.3%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス3.3%(同マイナス3.1%)で着地する見込みだ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。PPIは企業活動の目安となることもあり、結果が注視される。また米国の金融政策は中国・香港にも影響が出やすいため、買い手控え要因としてみられることもあろう。
 一方、急速に業績が悪化していた香港航空大手の国泰航空(キャセイ航空:293/HK)を巡っては、大規模な資本増強計画が明らかとなった。香港政府から出資や融資を受けるほか、大株主の太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)、中国国際航空(753/HK)の2社が株主割当増資を引き受けることを明らかにしている。3社ともに9日に株式売買を一時停止していたが、本日から取引を再開する。値動きが注目されそうだ。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース