2020/03/20 09:03
反発のタイミングを伺う展開か、各国中銀の経済対策が支えに
◆20日の香港マーケットは、各国中銀の経済対策が支えとなる展開か。
外部環境は安定しつつある。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.0%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.3%高とそろって反発した。欧州市場でも主要株価指数が軒並み上昇している。世界的な金融支援の流れが好感された。米連邦準備理事会(FRB)は18日深夜、異例ともいえる時間に、MMF(マネー・マーケット・ファンド)向けに緊急の資金供給を始めると発表。欧州中央銀行(ECB)は同日、緊急の債券買い入れプログラムを開始することを明らかにしている。また、英国のイングランド銀行(中央銀行)は19日、今年2度目となる緊急利下げに踏み切った。政策金利は過去最低の水準を塗り替えている。原油相場の持ち直しもプラス。WTI原油先物は前日比27.2%高と急反発し、上昇率は過去最大を記録した。トランプ米大統領は19日、ロシアとサウジアラビアの対立により始まった石油の価格戦争に対し、適切な時期に介入すると記者会見で発言している。
一方、19日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.0%安と7日続落。約1年1カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。投資家のリスク回避スタンスが継続した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)により、欧州や米国では製造業の操業や店舗の営業停止、国境の閉鎖が相次ぐ状況。世界的なサプライチェーン寸断による経済活動の縮小懸念が依然としてくすぶっている。複数のブローカーが中国の成長率見通しを引き下げていることも不安材料。なかでもゴールドマン・サックス(GS)は、GDP成長率見通しを下方修正し、2020年1〜3月期に前年同期比でマイナス9%まで悪化するとの見方を示した(従来予想はプラス2.5%)。GSは年間のGDP成長率についても、3%増に予測を下方修正。これは中国の文化大革命が終わった1976年以来の低成長となる。
こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは反発のタイミングをうかがう展開か。ハンセン指数や上海総合指数は足元で急ピッチに下落していることもあり、昨夜の欧米株高をきっかけに、買い戻しが入る可能性もありそうだ。各国中銀の景気刺激スタンスも追い風だ。また、原油相場の急反発を受け、エネルギー関連が物色されよう。
香港では上場企業の決算報告が本格化している。本日は招商銀行(3968/HK)や中国太平洋保険(集団)(2601/HK)、江蘇寧滬高速公路(177/HK)、華潤ビールHD(291/HK)、利豊(494/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、招金鉱業(1818/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、重慶機電(2722/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)、東方海外(316/HK)、週明け23日には、吉利汽車HD(175/HK)や中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)、康師傅HD(322/HK)、申洲国際集団HD(2313/HK)、衆安在線財産保険(6060/HK)、中国建材(3323/HK)、雅居楽集団HD(3383/HK)、首創置業(2868/HK)、恒基兆業地産(12/HK)などが通期決算を報告する予定だ。前日公表された注目の決算では、通信設備メーカー大手の京信通信系統HD(コムバ・テレコムシステムズ:2342/HK)が黒字転換、中国ブローカー最大手の中信証券(6030/HK)が30%増益などとなっている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定しつつある。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.0%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.3%高とそろって反発した。欧州市場でも主要株価指数が軒並み上昇している。世界的な金融支援の流れが好感された。米連邦準備理事会(FRB)は18日深夜、異例ともいえる時間に、MMF(マネー・マーケット・ファンド)向けに緊急の資金供給を始めると発表。欧州中央銀行(ECB)は同日、緊急の債券買い入れプログラムを開始することを明らかにしている。また、英国のイングランド銀行(中央銀行)は19日、今年2度目となる緊急利下げに踏み切った。政策金利は過去最低の水準を塗り替えている。原油相場の持ち直しもプラス。WTI原油先物は前日比27.2%高と急反発し、上昇率は過去最大を記録した。トランプ米大統領は19日、ロシアとサウジアラビアの対立により始まった石油の価格戦争に対し、適切な時期に介入すると記者会見で発言している。
一方、19日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.0%安と7日続落。約1年1カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。投資家のリスク回避スタンスが継続した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)により、欧州や米国では製造業の操業や店舗の営業停止、国境の閉鎖が相次ぐ状況。世界的なサプライチェーン寸断による経済活動の縮小懸念が依然としてくすぶっている。複数のブローカーが中国の成長率見通しを引き下げていることも不安材料。なかでもゴールドマン・サックス(GS)は、GDP成長率見通しを下方修正し、2020年1〜3月期に前年同期比でマイナス9%まで悪化するとの見方を示した(従来予想はプラス2.5%)。GSは年間のGDP成長率についても、3%増に予測を下方修正。これは中国の文化大革命が終わった1976年以来の低成長となる。
こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは反発のタイミングをうかがう展開か。ハンセン指数や上海総合指数は足元で急ピッチに下落していることもあり、昨夜の欧米株高をきっかけに、買い戻しが入る可能性もありそうだ。各国中銀の景気刺激スタンスも追い風だ。また、原油相場の急反発を受け、エネルギー関連が物色されよう。
香港では上場企業の決算報告が本格化している。本日は招商銀行(3968/HK)や中国太平洋保険(集団)(2601/HK)、江蘇寧滬高速公路(177/HK)、華潤ビールHD(291/HK)、利豊(494/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、招金鉱業(1818/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、重慶機電(2722/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)、東方海外(316/HK)、週明け23日には、吉利汽車HD(175/HK)や中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)、康師傅HD(322/HK)、申洲国際集団HD(2313/HK)、衆安在線財産保険(6060/HK)、中国建材(3323/HK)、雅居楽集団HD(3383/HK)、首創置業(2868/HK)、恒基兆業地産(12/HK)などが通期決算を報告する予定だ。前日公表された注目の決算では、通信設備メーカー大手の京信通信系統HD(コムバ・テレコムシステムズ:2342/HK)が黒字転換、中国ブローカー最大手の中信証券(6030/HK)が30%増益などとなっている。
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