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2020/07/27 09:10

売り先行か、米中対立の先鋭化を警戒 無料記事

◆週明け27日の香港マーケットは、米中対立の先鋭化を懸念して売られる展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。先週末の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.7%安、ナスダック指数が0.9%安とそろって続落した。米中対立の激化が経済回復の妨げになると不安視されている。中国外交部は24日、米政府がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を要求したことに対する対抗措置として、四川省成都市の米国総領事館に対し閉鎖を命じたことを明らかにした。また、一部ハイテク株の急落も投資家心理を冷やした一因。半導体大手のインテルは23日の決算発表で、最先端半導体の発売が遅れるとの見通しを明らかにした。あわせて、半導体の自社生産から撤退することも示唆している。同社株は16.2%下落した。
 一方、24日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が3.9%安と大幅続落。米中双方が領事館の閉鎖命令を出すなど、異例の事態に投資家のリスク回避スタンスが高まった。ポンペオ米国務長官は23日、対中政策について演説し、米国の歴代政権が続けてきた対応は失敗だったと強調している。また、閉鎖命令を出したヒューストンの総領事館については、「スパイ活動と知的財産窃取の拠点になっていた」と指摘した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。米中対立の先鋭化が引き続き懸念材料となる。米国土安全保障省のウルフ長官代行が24日、中国の脅威に対処するため、特別チームを省内に設置したと発表するなど、両国の関係はさらに悪化しそうだ。また、香港域内で新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからないこともマイナス材料として意識されよう。
 なお本日は、IT関連株などを組み入れた「ハンセン科技指数(Hang Seng TECH Index)」の算出・公表がスタートする。組み入れウエート上位の「ATMX」と呼ばれる阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)の値動きに注目したい。



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