2025/01/13 08:48
売り先行か、米雇用統計上振れを受けた米金利高が逆風
◆週明け13日の香港マーケットは、米長期金利の上昇を嫌気した売りが先行か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はネガティブ。10日の米株市場は、雇用統計の上振れで米利下げ休止観測が高まり、投資家心理を冷やす展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.6%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.6%安と3日続落している(NYダウは昨年11月以来の安値)。朝方公表された12月の米雇用統計に関しては、(非農業部門の)雇用者数の伸びが予想を大幅に上回り、失業率が予想外に前月から減少した。また、ミシガン大学が12日発表した1年先の期待インフレ率は、前月公表の2.8%から3.3%に上昇し、昨年5月以来の高水準となっている。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを当面見送るとの観測も浮上し、米債券市場では米10年債利回りが一時、2023年11月以来の高水準を付けた。米国では14日に生産者物価指数(PPI)、15日に消費者物価指数(CPI)が公表されることも不安材料となっている。インフレ加速が確認できた場合、FRBが利下げをしにくくなる恐れもあるためだ。
中国銘柄が急落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.1%安と4日続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)と百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)がそろって4.8%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が4.7%安と下げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が3.6%高と続伸し、金先物が0.9%高と4日続伸。ロンドン金属取引所(LME)は、銅など一部産品はさえなかったが、全体としては総じて堅調だった。
内部的には、中国指標が気がかり。今週は、12月の各種経済統計の発表が集中する。13日に貿易、15日までに金融、17日に小売売上高や鉱工業生産などと24年のGDP成長率などだ。貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前年同月比7.5%増(11月は6.7%増)、輸入が1.0%減(同3.9%減)で着地するとの予想が最新の市場コンセンサスとなっている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行しそうだ。米長期金利の上昇がマイナス材料だ。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の上昇も懸念される。また、本土では米中の金利差を背景に、資金流出の懸念も強まりそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はネガティブ。10日の米株市場は、雇用統計の上振れで米利下げ休止観測が高まり、投資家心理を冷やす展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.6%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.6%安と3日続落している(NYダウは昨年11月以来の安値)。朝方公表された12月の米雇用統計に関しては、(非農業部門の)雇用者数の伸びが予想を大幅に上回り、失業率が予想外に前月から減少した。また、ミシガン大学が12日発表した1年先の期待インフレ率は、前月公表の2.8%から3.3%に上昇し、昨年5月以来の高水準となっている。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを当面見送るとの観測も浮上し、米債券市場では米10年債利回りが一時、2023年11月以来の高水準を付けた。米国では14日に生産者物価指数(PPI)、15日に消費者物価指数(CPI)が公表されることも不安材料となっている。インフレ加速が確認できた場合、FRBが利下げをしにくくなる恐れもあるためだ。
中国銘柄が急落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.1%安と4日続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)と百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)がそろって4.8%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が4.7%安と下げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が3.6%高と続伸し、金先物が0.9%高と4日続伸。ロンドン金属取引所(LME)は、銅など一部産品はさえなかったが、全体としては総じて堅調だった。
内部的には、中国指標が気がかり。今週は、12月の各種経済統計の発表が集中する。13日に貿易、15日までに金融、17日に小売売上高や鉱工業生産などと24年のGDP成長率などだ。貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前年同月比7.5%増(11月は6.7%増)、輸入が1.0%減(同3.9%減)で着地するとの予想が最新の市場コンセンサスとなっている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行しそうだ。米長期金利の上昇がマイナス材料だ。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の上昇も懸念される。また、本土では米中の金利差を背景に、資金流出の懸念も強まりそうだ。
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