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2025/08/21 09:04

神経質な値動きか、米金融政策に不透明感 無料記事

◆21日の香港マーケットは、米金融政策の見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境に新規の買い材料は乏しい。米金融政策を見極めたいとするスタンスが続いている。カンザスシティ連銀主催のジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)は21日に開幕し、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が22日に講演する予定。9月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが利下げすることはほぼ確実視されているが、利下げサイクルに言及するかが注目されている。また、20日に公開されたFOMCの議事要旨(7月29〜30日開催分)では、米関税の影響が表れ始めたとして、大半のメンバーがインフレ上振れのリスクが大きいと判断していたことが分かった。インフレ動向は金融政策を左右させるため、金利動向の不透明感も強まっている。
 20日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウは前日比0.03%高と小幅続伸する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.66%安と続落している。パウエルFRB議長の講演を22日に控え、積極的な売買が手控えられた。
 中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.33%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が7.3%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が1.7%高、網易(ネットイース:NTES/NASDAQ、9999/HK)が1.3%高と上げが目立っている。一方、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)は2.6%安とさえない。同社が20日に発表した4〜6月期決算は、利益が前年同期比で33.4%増加したものの、売上高は3.6%減少した。中でも、売上高の60%を占めるオンライン広告事業は15%減収と厳しく、業績の伸び悩みが警戒された。
 内部環境はそれほど悪くない。中国の政策に対する期待感は続いている。20日に公表された最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は予想通り3カ月連続で据え置かれたが、市場からは政策金利や預金準備率を引き下げる可能性は依然として残ると指摘された。一部では、第4四半期(10〜12月)の引き下げが予想されている。
 一方、香港上場企業の決算報告は佳境入り。きょう21日はAIAグループ(1299/HK)や快手科技(1024/HK)、恒安国際集団(1044/HK)、瑞声科技HD(2018/HK)、華潤電力HD(836/HK)、李寧(2331/HK)、中国石油化工(386/HK)、22日は中国中車(1766/HK)やTCL電子HD(1070/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、万科企業(2202/HK)、東風汽車集団(489/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)、石薬集団(1093/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、金風科技(2208/HK)、国薬HD(1099/HK)、中国中車(1766/HK)などが予定されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは神経質な値動きか。米金融政策を見極めたいとするスタンスが引き続き相場の重しとなろう。企業決算の発表が続く中、目先は業績動向に着目した物色となりそうだ。


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