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2025/05/30 08:51

神経質な値動きか、あす発表の中国PMIが気がかり 無料記事

◆30日の香港マーケットは、中国指標の発表を前に神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。米関税政策を巡る不透明感が強まっている。トランプ米大統領が発動した一連の関税措置に関し、米国際貿易裁判所は「一部が大統領の権限を超えている」として政権に差し止めを命じた。対象は4月2日に発動した「相互関税」と違法薬物フェンタニル対策などを名目にカナダ・メキシコ・中国に課した追加関税となる。ただ、トランプ政権は即時に控訴。29日午後には、連邦高裁がその効力を一時的に停止する判断を下した。関税政策の先行きが見通せなくなったとの声も聞かれる。ただ、米利下げ観測が高まったことはプラス。29日に公表された新規失業保険申請件数(週間)は市場予想を上回り、継続受給者数は2021年11月以来の高水準に増加した。米連邦準備理事会(FRB)は年後半に利下げするとの見方が再び強まっている。同日の米債券市場では、米10年債利回りが低下した(債券価格は上昇)。
 米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%高とそろって反発。半導体大手エヌビディアの好決算が相場を支えたが、米関税政策の不透明感で一時下落に転じるなど荒い値動きだった。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.4%高と3日ぶりにした。主要な香港との重複上場銘柄では、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が4.3%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が4.0%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が2.1%高と上げが目立っている。
 商品相場では、国際エネルギー機関(IEA)高官が「中国の原油需要は弱い」と発言したことを受け、WTI原油先物が1.5%安と反落した。一方、NY金先物は0.6%高と反発している。
 内部環境もやや不透明。中国の景気動向が気がかりだ。週末のあす31日、5月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される。最新の市場コンセンサス予想では、製造業PMIが4月の49.0→49.5、非製造業PMIが50.4→50.6に上向く見通しだが、これまでに発表された5月の経済統計では、小売が市場予想を下回り、不動産関連の悪化が続くなど総じて弱いものだった。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国指標の発表を前に、投資家の様子見スタンスが強まりそうだ。前日は「トランプ関税」差し止め報道を手がかりに上昇していたが、いったん巻き戻される可能性もあろう。
 なお、本土市場は端午節の連休により、週明け2日が休場となる(香港は通常取引)。


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