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2025/06/02 08:49

売り先行か、内外環境が不透明 無料記事

◆週明け2日の香港マーケットは、内外環境の不透明感で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。トランプ米大統領は5月30日、鉄鋼とアルミニウムの輸入品に対し、追加関税を2倍の50%に引き上げる計画を表明した。トランプ氏はまた、中国が米国との貿易合意を完全に破ったとして、厳しい措置を取ると可能性を示唆している。そのほか、米国防長官は31日、アジア安全保障会議(シャングリア会合)で演説し、中国を「差し迫った脅威」と位置づけたうえで、台湾進攻の可能性に備える必要があると強調。中国外交部は翌6月1日、「米国こそが真の覇権国家だ」と痛烈に非難した。会合で予定されていた米中国防相会議も見送りとなっている。
 30日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.1%高と続伸する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%安と反落した。好材料と悪材料が綱引き。インフレ懸念の後退が支えとなったが、米中対立の激化懸念が重しとなった。米商務省が公表した4月の個人消費支出(PCE)が前年同月比で2.1%上昇にとどまり、伸び率が前月(2.3%上昇)を下回っている。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.7%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が4.0%安、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が3.9%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が3.8%安と下げが目立っている。
 商品相場では、主要産油国の増産見通しを受け、WTI原油先物が0.2%安と続落した。NY金先物は0.9%安と反落している。
 内部環境も不透明。中国景気の鈍化懸念が強まっている。先週末に公表された5月の製造業PMI(国家統計局などによる)は、予想通り前月の49.0→49.5に上向いた。ただ、依然として景況判断の境目となる50を下回っている。非製造業PMIは50.3となり、予想(50.5)に反し、前月(50.4)を下回った。
 こうした中、本日の香港マーケットは売りが先行しそうだ。米関税政策の不透明感や米中対立の激化、中国景気の鈍化など不安材料が山積している。
 なお、本土市場はきょう2日、端午節の祝日により休場。あす3日に取引を再開する。


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