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2025/02/11 08:39

上値の重い展開か、売り圧力を意識 無料記事

◆11日の香港マーケットは、売り圧力の高まりで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はひとまず安定している。10日の米株市場は、成長期待が改めて強まった半導体株が買われ全体相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.4%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.0%高と反発している。ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)が10日報告した今年1月の売上高が過去最高を記録し、半導体需要の強さが改めて意識された。ただ、上値は限定的。トランプ米政権が打ち出す高関税政策で、米経済が混乱するとの不安もくすぶっている。また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)が11日に議会証言することも気がかり。今後の物価見通しや金融政策に対する言及を見極めたいとするスタンスで、様子見ムードも漂った。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.6%高と3日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が7.5%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が5.1%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が5.0%高と上げが目立っている。アリババやJDは、著名投資家のデービッド・テッパー氏が率いるヘッジファンドが保有株を増やしたと伝わったことも好感された。
 商品相場は、WTI原油先物が1.9%高と続伸し、金先物も1.6%高と続伸している。金先物は連日で最高値を更新した。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇している。
 内部環境は悪くない。人工知能(AI)技術の進化が国内産業を発展させるとの見方が広がっている。浙江省杭州市のスタートアップ企業、杭州深度求索人工智能基礎技術研究有限公司(DeepSeek)が低コスト、かつ高性能な生成AIの大規模言語モデル(LLM)を開発。幅広い業種でDeepSeekのLLMを導入する動きがみられている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜の米ハイテク株高や中国のAIに対する期待感は支えだが、指数はこのところの上昇ピッチが早いだけに、売り圧力も高まっている状況だ。10日はハンセン指数が3日続伸で約4カ月ぶり高値、上海総合指数が3日続伸で約1カ月半ぶり高値を付けた。


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