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2025/04/29 09:15

連休控え上値の重い展開か、本土企業の決算報告も集中 無料記事

◆29日の香港マーケットは、中国の大型連休控え上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には不安材料がある。米ダラス連銀が28日発表した4月の製造業活動指数はマイナス35.8に落ち込み、3月のマイナス16.3から予想以上に悪化した。3カ月連続でのマイナスとなり、新型コロナ禍後の20年5月以来で最低となっている。米高関税政策の影響による景気懸念が改めて意識される状況だ。米中貿易交渉を巡る不透明感もくすぶる。トランプ米政権は中国とあらゆる面で交渉していると繰り返しているが、中国側はそのような事実はないと何度も否定した。関税応酬の峠は過ぎたとの見方がある一方、米中対立は長期化するとの懸念もある。
 28日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.3%高と5日続伸する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安と反落するなどまちまちだった。インドなど一部の国との間で、関税交渉がまとまるとの観測が支えとなったものの、今週はアマゾンやアップル、マイクロソフトなどハイテク主力の四半期決算報告が集中するため、様子見ムードも強まっている。一方、米債券市場では、米10年債利回りの低下が続いた(債券価格は5日続伸)。
 中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が7.0%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が3.5%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が2.3%高と上げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が1.5%安と3日ぶりに反落する一方、NY金先物が1.5%高と反発した。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇している。
 一方、内部的には企業業績の動向が気がかり。中国本土系企業の1〜3月期決算報告が集中する。きょう29日は中国工商銀行(1398/HK)や中国農業銀行(1288/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、中国銀行(3988/HK)、交通銀行(3328/HK)、中国建設銀行(939/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、HSBC(5/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中国海洋石油(883/HK)、万洲国際(288/HK)、馬鞍山鋼鉄(323/HK)、ASMPT(522/HK)、中国中車(1766/HK)、中銀香港(2388/HK)、中信証券(6030/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、中国外運(598/HK)、中聯重科(1157/HK)、中国国際航空(753/HK)、鞍鋼(347/HK)、北京汽車(1958/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国南方航空(1055/HK)、万科企業(2202/HK)、招商銀行(3968/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、中遠海運発展(2866/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、澳門博彩HD(880/HK)、イ柴動力(2338/HK)、中国中鉄(390/HK)など発表を予定している。
 なお、メーデーに絡んだ祝日により、本土市場は5月1〜5日が休場。香港市場は1日がメーデー、5日が仏誕節で飛び石の休場となる。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の大型連休を前に、買いが手控えられそうだ。また、佳境入りする本土企業の決算では、金融や石油などの大型株がきょう集中して業績を発表する。様子見ムードも強まりそうだ。


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