2025/03/13 08:58
上値の重い展開か、様子見ムードも 
◆13日の香港マーケットは、中国の指標や企業決算の見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は悪材料と好材料が交錯。「トランプ関税」に端を発した貿易戦争のエスカレートがネガティブ材料だ。トランプ米政権は12日、鉄鋼・アルミニウム製品などへの25%追加関税を全ての貿易相手国に発動。欧州連合(EU)は即座に対抗措置を表明し、カナダも報復関税を課すと発表した。サプライチェーン(供給網)の混乱や、景気の下振れが警戒されている。半面、米インフレ懸念の後退はプラス。2月の米消費者物価指数(CPI)は伸び率が予想を下回り、4カ月ぶりの低い伸びにとどまった。インフレ高進に歯止めがかかりつつある内容となっている。
12日の米株市場は、全体としてはしっかり。主要指標のNYダウは前日比0.2%安と小幅に3日続落したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.2%高と3日ぶりに反発した(引け後の時間外取引では、NYダウ先物もプラスで推移)。エヌビディアが6.4%高と急伸するなど、このところ下げの目立っていた半導体株の上昇が目立っている。
一方、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が8.6%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が6.5%安、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が6.1%安と下げが目立っている。
米債券市場では、米10年債利回りの上昇が継続(債券は続落)。CPIは予想を下回ったものの、「トランプ関税」がインフレ圧力を高めるとの見方がくすぶっている。
商品相場は、WTI原油先物が2.2%高と続伸し、金先物も0.9%高と続伸。ロンドン金属取引所(LME)では、アルミは下げたが、銅など他の主要産品は概ね上昇した。
内部的には新規材料に乏しい。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が11日に閉幕し、これから発表される具体的な景気支援策を見極めたいとするスタンスが漂っている。経済指標の発表も来週に集中。17日に1〜2月の小売売上高や鉱工業生産などが公表される。2月は春節(旧正月)の影響で単月の発表がなかっただけに、結果に対する注目度も高まる状況だ。企業決算の報告も本格化。きょう13日は太古(A)(19/HK)や太古地産(1972/HK)、14日はAIAグループ(1299/HK)や理想汽車(2015/HK)、17日は中国鉄塔(788/HK)、18日は小米集団(1810/HK)や閲文集団(772/HK)、小鵬汽車(9868/HK)、華潤ビールHD(291/HK)、中国聯通(762/HK)19日は騰訊HD(700/HK)や安踏体育用品(2020/HK)、中国平安保険(2318/HK)、金山軟件(3888/HK)、香港中華煤気(3/HK)、電能実業(6/HK)、20日は吉利汽車HD(175/HK)や中国生物製薬(1177/HK)、長江実業集団(1113/HK)、長江和記実業(1/HK)、恒基兆業地産(12/HK)、華潤電力HD(836/HK)、瑞声科技HD(2018/HK)、中国移動(941/HK)、21日は紫金鉱業集団(2899/HK)やTCL電子HD(1070/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、中国神華能源(1088/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)、翰森製薬集団(3692/HK)などの期末決算が予定されている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米ハイテク株高や中国経済対策の期待感などは支えだが、中国の経済指標や企業決算の発表が気がかり材料だ。米国の関税政策も引き続き重しとなろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は悪材料と好材料が交錯。「トランプ関税」に端を発した貿易戦争のエスカレートがネガティブ材料だ。トランプ米政権は12日、鉄鋼・アルミニウム製品などへの25%追加関税を全ての貿易相手国に発動。欧州連合(EU)は即座に対抗措置を表明し、カナダも報復関税を課すと発表した。サプライチェーン(供給網)の混乱や、景気の下振れが警戒されている。半面、米インフレ懸念の後退はプラス。2月の米消費者物価指数(CPI)は伸び率が予想を下回り、4カ月ぶりの低い伸びにとどまった。インフレ高進に歯止めがかかりつつある内容となっている。
12日の米株市場は、全体としてはしっかり。主要指標のNYダウは前日比0.2%安と小幅に3日続落したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.2%高と3日ぶりに反発した(引け後の時間外取引では、NYダウ先物もプラスで推移)。エヌビディアが6.4%高と急伸するなど、このところ下げの目立っていた半導体株の上昇が目立っている。
一方、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が8.6%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が6.5%安、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が6.1%安と下げが目立っている。
米債券市場では、米10年債利回りの上昇が継続(債券は続落)。CPIは予想を下回ったものの、「トランプ関税」がインフレ圧力を高めるとの見方がくすぶっている。
商品相場は、WTI原油先物が2.2%高と続伸し、金先物も0.9%高と続伸。ロンドン金属取引所(LME)では、アルミは下げたが、銅など他の主要産品は概ね上昇した。
内部的には新規材料に乏しい。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が11日に閉幕し、これから発表される具体的な景気支援策を見極めたいとするスタンスが漂っている。経済指標の発表も来週に集中。17日に1〜2月の小売売上高や鉱工業生産などが公表される。2月は春節(旧正月)の影響で単月の発表がなかっただけに、結果に対する注目度も高まる状況だ。企業決算の報告も本格化。きょう13日は太古(A)(19/HK)や太古地産(1972/HK)、14日はAIAグループ(1299/HK)や理想汽車(2015/HK)、17日は中国鉄塔(788/HK)、18日は小米集団(1810/HK)や閲文集団(772/HK)、小鵬汽車(9868/HK)、華潤ビールHD(291/HK)、中国聯通(762/HK)19日は騰訊HD(700/HK)や安踏体育用品(2020/HK)、中国平安保険(2318/HK)、金山軟件(3888/HK)、香港中華煤気(3/HK)、電能実業(6/HK)、20日は吉利汽車HD(175/HK)や中国生物製薬(1177/HK)、長江実業集団(1113/HK)、長江和記実業(1/HK)、恒基兆業地産(12/HK)、華潤電力HD(836/HK)、瑞声科技HD(2018/HK)、中国移動(941/HK)、21日は紫金鉱業集団(2899/HK)やTCL電子HD(1070/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、中国神華能源(1088/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)、翰森製薬集団(3692/HK)などの期末決算が予定されている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米ハイテク株高や中国経済対策の期待感などは支えだが、中国の経済指標や企業決算の発表が気がかり材料だ。米国の関税政策も引き続き重しとなろう。
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