2025/03/20 09:00
しっかりか、FOMCを受けた米株高が支えに 
◆20日の香港マーケットは、米株高を好感ししっかりか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は良好。米連邦準備理事会(FRB)がハト派(緩和的)スタンスに舵を切ったことがポジティブだ。19日(日本時間20日未明)に終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り2会合連続で政策金利が据え置かれたが、FRBが保有資産を圧縮する量的引き締めを4月から減額することを決定。市場には「間接的な利下げ」との受け止め方が広がった。また、パウエルFRB議長が会見で、「米経済の底堅さは続いている」と強調したこともプラスとなる。
19日の米株市場は、FOMCの結果を受けて投資家心理が上向き、主要指標のNYダウが前日比0.9%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.4%高とそろって反発した。ただ、指数は伸び悩む場面もみられている。FRBが2025〜27年のGDP成長率見通しを下方修正したことが重しだ。
半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.4%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS Holdings:GDS/NASDAQ、9698/HK)が14.0%安、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が4.2%安、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が2.7%安と下げが目立っている。万国数拠が公表した通期決算は売上高が予想を下回り、前年に続き赤字を計上。投資家の失望を呼んだ。
米債券市場では、米10年債利回りの低下が継続(債券価格は3日続伸)。量的引き締めの減額などが債券相場の支えとなった。
商品相場は、WTI原油先物が0.4%高と反発し、金先物が0.4%高と7日続伸した。金先物は連日で過去最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の値動きがまちまちだった。
一方、内部的には企業業績の動向に注目が集まる。香港では主要企業の期末決算報告が佳境入り。きょう20日は吉利汽車HD(175/HK)や中国生物製薬(1177/HK)、長江実業集団(1113/HK)、長江和記実業(1/HK)、恒基兆業地産(12/HK)、華潤電力HD(836/HK)、瑞声科技HD(2018/HK)、中国移動(941/HK)、21日は紫金鉱業集団(2899/HK)やTCL電子HD(1070/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、中国神華能源(1088/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)、翰森製薬集団(3692/HK)などだ。前日引け後に発表された決算では、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が68%増益、中国平安保険(2318/HK)が48%増益、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が221%増益などと業績成長が目立っている。それぞれ期末配当の増額方針を明らかにした。
なお、中国ではきょう20日(日本時間10時ごろ)、実質的な政策金利となる3月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される。銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.10%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.60%に据え置かれる見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。FOMCの結果を受けた米株高が好感されよう。ただ、中東地域の地政学リスクが続いていることや、米中貿易戦争のエスカレートが不安視されていることもあり、上値も重そうだ。また、ハンセン指数は約3年1カ月ぶりの高値水準で推移しているとあって、売り圧力も高まっている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は良好。米連邦準備理事会(FRB)がハト派(緩和的)スタンスに舵を切ったことがポジティブだ。19日(日本時間20日未明)に終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り2会合連続で政策金利が据え置かれたが、FRBが保有資産を圧縮する量的引き締めを4月から減額することを決定。市場には「間接的な利下げ」との受け止め方が広がった。また、パウエルFRB議長が会見で、「米経済の底堅さは続いている」と強調したこともプラスとなる。
19日の米株市場は、FOMCの結果を受けて投資家心理が上向き、主要指標のNYダウが前日比0.9%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.4%高とそろって反発した。ただ、指数は伸び悩む場面もみられている。FRBが2025〜27年のGDP成長率見通しを下方修正したことが重しだ。
半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.4%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS Holdings:GDS/NASDAQ、9698/HK)が14.0%安、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が4.2%安、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が2.7%安と下げが目立っている。万国数拠が公表した通期決算は売上高が予想を下回り、前年に続き赤字を計上。投資家の失望を呼んだ。
米債券市場では、米10年債利回りの低下が継続(債券価格は3日続伸)。量的引き締めの減額などが債券相場の支えとなった。
商品相場は、WTI原油先物が0.4%高と反発し、金先物が0.4%高と7日続伸した。金先物は連日で過去最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の値動きがまちまちだった。
一方、内部的には企業業績の動向に注目が集まる。香港では主要企業の期末決算報告が佳境入り。きょう20日は吉利汽車HD(175/HK)や中国生物製薬(1177/HK)、長江実業集団(1113/HK)、長江和記実業(1/HK)、恒基兆業地産(12/HK)、華潤電力HD(836/HK)、瑞声科技HD(2018/HK)、中国移動(941/HK)、21日は紫金鉱業集団(2899/HK)やTCL電子HD(1070/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、中国神華能源(1088/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)、翰森製薬集団(3692/HK)などだ。前日引け後に発表された決算では、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が68%増益、中国平安保険(2318/HK)が48%増益、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が221%増益などと業績成長が目立っている。それぞれ期末配当の増額方針を明らかにした。
なお、中国ではきょう20日(日本時間10時ごろ)、実質的な政策金利となる3月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される。銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.10%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.60%に据え置かれる見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。FOMCの結果を受けた米株高が好感されよう。ただ、中東地域の地政学リスクが続いていることや、米中貿易戦争のエスカレートが不安視されていることもあり、上値も重そうだ。また、ハンセン指数は約3年1カ月ぶりの高値水準で推移しているとあって、売り圧力も高まっている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。