2025/05/15 08:38 NEW!!
上値の重い展開か、米長期金利の上昇基調が逆風 
◆15日の香港マーケットは、米金利高を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境には懸念材料がある。米長期金利の先高観が強まっていることがマイナスだ。米中が一部関税の90日間一時停止で合意し、米景気懸念が薄らぐ中、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを先送りするとの見方が広がっている。また、インフレが加速するとの警戒感も金利上昇圧力を高める一因だ。14日の米債券市場では、米10年債利回りの上昇が続き(債券価格は下落)、4月11日以来の高水準を付けている。
14日の米株市場は、15日に4月の小売売上高や卸売物価指数(PPI)などの発表を控える中で方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2%安と続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7%高と6日続伸している。サウジアラビアの政府系ファンドが所有するAI(人工知能)スタートアップ企業「ヒュメイン」と業務提携すると発表したことなどを引き続き手がかりに、半導体大手エヌビディアが4.2%高と続伸した。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が2.7%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.9%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が1.6%高と上げが目立っている。そのほか、OTC(店頭市場)にADR上場する騰訊HD(テンセント・ホールディングス:TCEHY/US、700/HK)が3.5%上昇した。同社は前日の香港市場引け後に1〜3月期決算を発表。純利益は14.2%増で市場予想を下回ったが、売上高は12.9%増で予想を上回った。
商品相場は、WTI原油先物が0.8%安と5日ぶりに反落し、NY金先物も1.8%安と反落している。
内部環境もやや不透明。4月の金融統計が14日に公表され、人民元建て新規融資が市場予想を下回ったことが明らかにされた。また、週明け19日には、4月の小売売上高や鉱工業生産などが公表される。トランプ関税の影響が気がかりだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米長期金利の上昇が嫌気されそうだ。ただ、複数の証券会社が中国の経済成長見通しを上方修正するなど景気懸念が後退していることは引き続き支えとなろう。また、決算報告したテンセント株の同行にも注視したい。なお本日は、阿里巴巴集団HD(9988/HK)、網易(9999/HK)、吉利汽車(175/HK)などが四半期決算を発表する予定だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境には懸念材料がある。米長期金利の先高観が強まっていることがマイナスだ。米中が一部関税の90日間一時停止で合意し、米景気懸念が薄らぐ中、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを先送りするとの見方が広がっている。また、インフレが加速するとの警戒感も金利上昇圧力を高める一因だ。14日の米債券市場では、米10年債利回りの上昇が続き(債券価格は下落)、4月11日以来の高水準を付けている。
14日の米株市場は、15日に4月の小売売上高や卸売物価指数(PPI)などの発表を控える中で方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2%安と続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7%高と6日続伸している。サウジアラビアの政府系ファンドが所有するAI(人工知能)スタートアップ企業「ヒュメイン」と業務提携すると発表したことなどを引き続き手がかりに、半導体大手エヌビディアが4.2%高と続伸した。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が2.7%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.9%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が1.6%高と上げが目立っている。そのほか、OTC(店頭市場)にADR上場する騰訊HD(テンセント・ホールディングス:TCEHY/US、700/HK)が3.5%上昇した。同社は前日の香港市場引け後に1〜3月期決算を発表。純利益は14.2%増で市場予想を下回ったが、売上高は12.9%増で予想を上回った。
商品相場は、WTI原油先物が0.8%安と5日ぶりに反落し、NY金先物も1.8%安と反落している。
内部環境もやや不透明。4月の金融統計が14日に公表され、人民元建て新規融資が市場予想を下回ったことが明らかにされた。また、週明け19日には、4月の小売売上高や鉱工業生産などが公表される。トランプ関税の影響が気がかりだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米長期金利の上昇が嫌気されそうだ。ただ、複数の証券会社が中国の経済成長見通しを上方修正するなど景気懸念が後退していることは引き続き支えとなろう。また、決算報告したテンセント株の同行にも注視したい。なお本日は、阿里巴巴集団HD(9988/HK)、網易(9999/HK)、吉利汽車(175/HK)などが四半期決算を発表する予定だ。
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