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2025/06/11 08:58

しっかりか、米中協議に期待感 無料記事

◆11日の香港マーケットは、米中協議の進展期待でしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。貿易問題を巡る米中の閣僚級会議はロンドンで9日に開始され、10日も夜遅くまで話し合いが続くなど時間がかかっているが、何らかの合意が得られるとの見方が強まっている。ラトニック米商務長官は10日、中国との貿易協議は前向きに進展していると記者団に語った。ベッセント米財務長官は米議会証言のため11日に帰国するが、協議は11日までかかる可能性もあり、ラトニック氏とダリア米通商代表部(USTR)代表がロンドンに残る。
 10日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.2%高と反発し、3月上旬以来の高値を付けた。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.6%高と続伸し、2月20日以来の高値水準を切り上げている。米中協議の結果を見極めたいとするムードはあったが、悲観するほどではなく、ハイテク株の一角などに買いが入り相場を支えた。ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)が公表した5月の売上高は、前月比では鈍化したものの、前年同月比で39.6%増と大幅に伸びている。同社のADRは2.6%上昇した。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.3%高と続伸した。。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が5.8%高、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が2.5%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が1.6%高と上げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が0.5%安と4日ぶりに反落。世界銀行が2025年の世界成長率予測を下方修正したことで、原油需要も鈍化すると予測された。NY金先物も0.3%安と反落している。
 一方、内部的には新規の取引材料に乏しい。直近で公表された中国の月次経済統計は景気鈍化を示す内容が多かったものの、逆に、当局が追加刺激策を打ち出すとの観測も根強い状況だ。世銀が発表した最新の世界経済見通しは、世界全体の25年成長率予想を下方修正しているが、中国については景気対策が奏功するとして前回予想を据え置いている。
 こうした中、本日の香港マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米中協議の結果を見極めたいとする雰囲気はあるが、協議は大詰めを迎えているとあって、何らかの合意が得られるとの見方が相場を支えよう。


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