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2025/02/05 09:05

神経質な値動きか、本土株動向を注視 無料記事

◆5日の香港マーケットは、取引再開する本土株動向をにらみながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。4日の米株市場は、一部ハイテク企業の好決算が全体相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.3%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.4%高と3日ぶりに反発している。ビッグデータ分析大手のパランティア・テクノロジーズ(@PLTR/UA)が公表した第4四半期(10〜12月期)の1株利益と売上高は予想を上回り、通期ガイダンスも予想以上の内容だった。同社株はダウ平均の構成銘柄ではないが、同社株は24%高と急伸し、投資家のセンチメントを上向かせている。人工知能(AI)産業の拡大が続くとの見方で、ハイテク株全体の追い風となった。利下げ休止の長期化懸念も薄れる。米労働省が4日発表した昨年12月の米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数が予想を下回った。米債券市場では米10年債利回りが低下している。
 一方、トランプ米政権は予定通り4日から中国に対する10%の追加関税を発動。中国側はそれにあわせ報復措置を打ち出した。米中首脳は4日に通商問題について協議するとの観測が流れていたが、実施されていない。米ホワイトハウスの報道官は4日、米中首脳は近く電話で会談するとの見通しを明らかにしたが、トランプ米大統領は「会談は急いでいない」と述べた。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.7%高と3日ぶり反発。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が8.3%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が6.0%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が5.9%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が5.6%高と上げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が0.6%安と反落する一方、金先物も0.7%高と続伸。金先物は一時、史上最高値を連日で更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇した。
 内部的には取引再開する本土株動向が気がかり。本土A株市場は1月28日〜2月4日まで、春節(旧正月)の大型連休により休場だった。先行して取引が再開された香港市場は、中国景況感の悪化で売られる場面があったものの、4日の取引では主要株価指数がそろって大幅上昇している。米中の関税応酬は想定の範囲内との声が聞かれたほか、中国の経済対策に対する期待感が相場を押し上げた。
 なお、本日の取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、民間集計による今年1月の財新中国サービス業購買担当者指数(PMI)が公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、12月の52.2から52.4に上向く見通しだ。
 こうした中、本日の香港マーケットは全体として神経質な値動きか。本土株動向をにらみながらの展開となろう。前日の香港株高にサヤ寄せすれば、本土の主要株価指数は買い先行することになる。ただ、米中関係の悪化懸念が依然としてくすぶっているだけに、上値の重い場面もあろう。


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